著者
橋本 亜矢子 斎藤 庸平
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.23, 2004

落葉樹の樹冠内で、夜間照明により部分的に落葉が遅れる現象がこれまでに報告されている。(三沢・高倉 1990他)しかしこの現象が問題となる具体的な夜間照度は明らかになっていない。本研究では現地調査に基づき、樹冠内で部分的な紅葉・落葉の遅れを引き起こす夜間照明の程度を明らかにすることで、街路樹の生育環境の改善と、統一感や季節感の演出を担う街路景観の向上に役立つ基礎的データを得ることを目的とした。使用頻度が高い落葉樹のうちアメリカフウを対象とした結果、20lux以上の夜間照明(光源は蛍光水銀灯)は、樹冠内での紅葉・落葉の遅れを引き起こすこと、この影響は200lux以上で顕著になることが明らかになった。
著者
愛知 正温 斎藤 庸 徳永 朋祥
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.449-460, 2014-11-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
26

地盤沈下問題が顕在化する前の時期には,地下水揚水量の調査が行われることはきわめて少ない.このため,地下水流動や地盤沈下に関する信頼性の高いモデルを構築できないことが多い.本研究では,東京都区部を対象とし,既存の地下水揚水量データと国民総生産との関係を検討し,地下水揚水規制が始まる前の地下水揚水量の推定を試みた.その結果,両者の関係は,1959年前後において屈曲する区分線形関数により,よく近似されることがわかった.地下水揚水量と国民総生産の近似関係式を外挿して求めた過去の地下水揚水量の推定値は,世界恐慌や第二次世界大戦時の地盤沈下速度の低下や地下水位の変化と調和的であった.このような推定手法は,東京のような国家経済を牽引する大都市に対して有効であると考えられ,現在地盤沈下等の問題に直面しているアジアの大都市において,不足している地下水揚水量データを推定するための一手法として期待される.
著者
橋本 亜矢子 斎藤 庸平
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.465-468, 2004-03-31
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

Street lighting delays autumnal leaf coloring and the leaf fall of some kind of deciduous trees. This phenomenon was reported in 1990 for the first time. However there is little information about the lighting conditions, which causes this phenomenon. The aim of this research was to clarify the degree of the light, which causes abnormal leaf coloring and the leaf fall, and to acquire fundamental knowledge for better lighting design to make roadside trees' growth condition and streetscape well. The investigation was performed on roadside trees, Liquidambar styraciflua, from November 16 in 2002 to January 11 in 2003. It was found that lighting of more than 201ux influences autumnal leaf coloring and the leaf fall, and especially lighting of more than 2001ux influences more greatly. Based on the results, recommendations for lighting in urban streetscape are discussed.