著者
新井 英夫
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.8-10, 2013

東日本大震災(2011)後,津波被災写真に著しいカビ被害が発生していた.筆者は,文化財の保存に活用している水溶性・非蒸散性の防菌防黴剤 ホクサイドR-150(北興産業(株))の応用を考えた.ホクサイドR-150は,クロロメチルイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンの混合剤である.本実験は,被災写真をホクサイドR-150 1.0%を含有する保存環境除菌剤JE-120に浸漬処理するにあたって,写真材質への影響に留意して防カビ効果を検討した.<br>
著者
小川 哲史 新井 英夫 渡部 登志雄 小林 靖子 森川 昭廣 丸山 健一 服部 浩明 江頭 徹
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.171-175, 1998

我々は,血漿アポEの高値および特徴的な腎組織像からリポ蛋白糸球体症と診断した4歳発症の女児例を経験した。本例は検索した範囲では世界最年少例と思われた。<br> 本症の病因の一つとしてリポ蛋白代謝異常が示唆されているため,患児のアポEの検索を行った。表現型と遺伝子型に不一致がみられたことより,さらに検索を進めたところ,アポE遺伝子exon 4において9塩基の欠失 (480-488nt) が認められた。これによって合成される患児のアポEは,3個のアミノ酸 (Arginine,Lysine,Leucine) が欠け,296個のアミノ酸から成る変異体であると推測された。また,現在無症状である母親および弟にも同遺伝子変異が確認された。この変異はアポEにおいてレセプターとの結合領域と考えられている部分に存在しており,これによって生じる変異体はリポ蛋白代謝異常さらには本症の発症に何らかの形で関与している可能性が示唆された。