著者
熊谷 亨 山川 理 吉永 優 石黒 浩二 日高 操 甲斐 由美
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.40, pp.1-16, 2002-03

"コナホマレ"は"ハイスターチ"を母、"九系82124-1"を父とする交配組合せから選抜したカンショ新品種であり、"九州126号"の系統名で関係各県に配布し、2000年8月農林水産省育成品種"かんしょ農林52号"として命名登録された。萌芽性は中、草型は匍匐型、茎はやや細く、茎の長さはやや長い。いもの皮色は淡褐、肉色は淡黄白、形状は短紡錘形、大きさは中、いもの揃いは中、外観はやや上である。いも収量、でん粉歩留は"コガネセンガン"や"シロユタカ"より高く、でん粉収量は"コガネセンガン"や"シロユタカ"を大きく上回る。黒斑病にはやや弱く、サツマイモネコブセンチュウにはやや強、ミナミネグサレセンチュウには中の抵抗性を示す。貯蔵性はやや難である。暖地の畑作地帯に適するが、当面、でん粉原料用や焼酎原料用として鹿児島県や宮崎県を中心に普及する。
著者
津田 新哉 藤澤 一郎 花田 薫 日高 操 肥後 健一 亀谷 満朗 都丸 敬一
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.99-103, 1994-02-25

Reverse transcriptase-polymerase chain reaction (RT-PCR)法を用いてアザミウマ1頭からTSWV (O系統) S RNAの検出を試みた。精製 TSWV RNAでは予想される増幅長に一致する約800塩基対のシグナルが認められた。検出されたシグナルは, S RNAをプロープとしたサザンハイブリダイゼーションとダイデオキシ法によるDNAシークエンシングから, S RNAを鋳型にしたcDNAと同定された。ダイズウスイロアザミウマ(Thrips setosus)の若齢幼虫をダチュラ(Datura stramonium)またはピーマン(Capsicum annuum)の病葉上で2時間獲得吸汁させた後, 健全ササゲに移し, 約10日後羽化した成虫を1頭ずつ健全ピーマン幼苗で2日間接種吸汁させて伝搬の有無を調べた。次いで, 接種吸汁させた成虫1頭ずつから全RNAを抽出してRT-PCR法で検出した結果, TSWVを伝搬した雌雄すべての個体からシグナルが検出され, 伝搬しなかった個体からもまれに検出された。以上から, 本法は媒介虫(アザミウマ)からのウイルス検出に有用と思われる。