著者
槌野 正裕 山下 佳代 坊田 友子 甲斐 由美 高野 正太 高野 正博
出版者
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
雑誌
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 (ISSN:18820115)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.34-38, 2008 (Released:2021-10-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

排泄リハビリテーション領域では日常生活動作訓練の一環としての起居からトイレへの移動など、一連の動作としてのアプローチがほとんどであり、排泄そのものに目を向けた直接的アプローチは皆無に等しい。 今回、直腸性便秘のため当院にて排泄訓練を行った10例に対し、ポータブルトイレでの排便姿勢の評価に加えて、排便時の直腸と肛門の怒責圧測定を行った。 結果排便時姿勢不良例では直腸圧が低く、肛門圧が高い値を示しており、排泄を困難にさせていた。また、排便姿勢不良例に対して姿勢指導を行うことで、直腸圧が上昇し肛門圧は低下した。排便姿勢の変化により骨盤機能が改善し、腹圧が加わりやすくなりスムーズな排便が可能となったと考える。
著者
甲斐 由美 境 哲文 片山 健二 熊谷 亨 石黒 浩二 中澤 芳則 山川 理 吉永 優
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告 九州沖縄農業研究センター = Bulletin of the NARO, Agricultural Research for Kyushu Okinawa Region (ISSN:24328103)
巻号頁・発行日
no.66, pp.87-119, 2017-03

「べにはるか」はいもの外観が優れる「九州121 号」を母,いもの皮色や食味が優れる「春こがね」を父とする交配組合せから選抜したサツマイモ新品種である。蒸しいもおよび焼きいもの糖度(ブリックス)が「高系14 号」より高く,食味が優れる。萌芽性は中,草型はやや匍匐型で,いもの皮色は赤紫,肉色は黄白,形状は紡錘形,いもの外観はやや上である。育成地におけるいもの収量は「高系14 号」を上回るが,試験地によっては,「高系14 号」並みあるいはやや劣る場合がある。掘取直後の蒸しいもの肉質はやや粉質であるが,貯蔵により粘質化しやすい。蒸切干(干しいも)の肉色は黄色で,食味はやや上~上と優れる。サツマイモネコブセンチュウに強く,ミナミネグサレセンチュウにやや強い。黒斑病抵抗性は中~やや弱であり,貯蔵性は易である。"Beniharuka" is a new sweetpotato cultivar for table use, developed at the KyushuOkinawa Agricultural Research Center. It was evaluated at prefectural agriculturalexperiment stations as breeding line "Kyushu No. 143" and was registered as a new variety in 2010."Beniharuka" is the progeny from a cross between "Kyushu No. 121" and "Harukogane" conducted at the Sweetpotato Breeding Laboratory in 1996. "Kyushu No. 121" is a cultivar for table use, especially suitable for baked root, while "Harukogane" is a cultivar for table use with good skin color and good taste. Starting from 278 seeds sown in the nursery, selection was carried out based on field performance, taste, and appearance of storage root."Beniharuka" exhibits moderate sprouting ability and a slightly prostrate plant type. The top leaves are light green. The mature leaves are green and cordate. The vine diameter is intermediate with a somewhat short internode length. Pigmentation by anthocyanin is pale in the veins and is very pale in the vine nodes. The storage roots are uniformly fusiform with reddish purple skin and cream flesh. The steamed root texture is slightly dry just after harvesting, but it becomes slightly moist after about one month storage and its taste becomes sweeter. Steamed and cured slices made from "Beniharuka" are yellow and taste good.The yielding ability of "Beniharuka" is comparable to that of "Kokei No. 14", a leading Japanese variety for table use. The dry matter content of "Beniharuka" is higher than that of "Kokei No. 14" ."Beniharuka" is intermediately resistant or slightly susceptible to black rot (Ceratocystis fimbriata), somewhat resistant to root lesion nematode (Pratylenchus coffeae), and resistant to root knot nematode(Meloidogyne incognita).The storage ability of the storage roots is sufficient throughout winter.
著者
熊谷 亨 山川 理 吉永 優 石黒 浩二 日高 操 甲斐 由美
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.40, pp.1-16, 2002-03

"コナホマレ"は"ハイスターチ"を母、"九系82124-1"を父とする交配組合せから選抜したカンショ新品種であり、"九州126号"の系統名で関係各県に配布し、2000年8月農林水産省育成品種"かんしょ農林52号"として命名登録された。萌芽性は中、草型は匍匐型、茎はやや細く、茎の長さはやや長い。いもの皮色は淡褐、肉色は淡黄白、形状は短紡錘形、大きさは中、いもの揃いは中、外観はやや上である。いも収量、でん粉歩留は"コガネセンガン"や"シロユタカ"より高く、でん粉収量は"コガネセンガン"や"シロユタカ"を大きく上回る。黒斑病にはやや弱く、サツマイモネコブセンチュウにはやや強、ミナミネグサレセンチュウには中の抵抗性を示す。貯蔵性はやや難である。暖地の畑作地帯に適するが、当面、でん粉原料用や焼酎原料用として鹿児島県や宮崎県を中心に普及する。
著者
田淵 宏朗 田中 勝 甲斐 由美 高畑 康浩
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.81, pp.46-49, 2015-05-15

22品種・系統のサツマイモについて,「ハイスターチ」のサツマイモネコブセンチュウレースSP1・SP2に対する抵抗性遺伝子座qRmi(t)判別用DNAマーカーE33M53_090・E41M32_206の遺伝子型の決定,および,抵抗性形質の検定を行った.両者の関係を解析したところ,これらのDNAマーカーは「ハイスターチ」の後代品種・系統においてハイスターチ型のqRmi(t)を継承する抵抗性系統の選抜に使用可能であることが示唆される結果が得られた.