著者
日高 真人 松田 裕貴 諏訪 博彦 多屋 優人 安本 慶一
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.23-36, 2021-12-31 (Released:2022-01-25)
参考文献数
36

スマートツーリズムは,世界的に注目を集めている。その構成要素の一つとして,ユーザの観光履歴や嗜好に基づく推薦システムが多く提案されている。一方で,マーケティングの分野では,近年,パーソナリティや動機などの心理的要素に着目した推薦の研究がなされているが,観光分野では少ない。そこで,本論文では,どのような特性のユーザにどのような推薦をすべきかを明らかにするために,観光客のパーソナリティに着目し観光行動との関係性を分析する。具体的には,「観光客のパーソナリティの違いによって観光行動(観光行動エリア・観光行動カテゴリ)が異なるか」について検証を行う。検証のために,1,000人に京都観光を想定したアンケート調査を実施している。検証の結果,観光客のパーソナリティの違いによって観光行動が異なることを確認している。具体的には,外向性が低い観光客は清水寺などの人気のある観光エリアに行きやすいなど,を明らかにしている。また,その結果に基づいて,外向性が低い観光客に対しては観光スポットの人気度を示したり,他の観光客からのレビューを表示したりするなど,パーソナリティに合わせた観光推薦について考察している。