著者
黒岩 将 安本 慶一 村田 佳洋 伊藤 実
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-56, 2013-03-12

合コン(お見合いパーティ)では,できるだけ多くのカップルを成立させたいという要求が発生する.本論文では,合コン結果から,カップルが成立しやすい男女の属性情報の組(好相性と呼ぶ)を,進化計算を用いて求めることで,理想的な合コンメンバ(合コン参加者名簿)を決定するシステムを提案する.提案システムでは,男女の属性情報の組を進化計算の解集団(初期個体群)としてシステムに持たせ,合コンでのカップル成否を解の評価値(適応度)としてフィードバックしながら,好相性を表現する準最適解集団の獲得を目指す.提案システムの実現には,複数の好相性の同時探索,様々な参加者による多数の合コンの実施が必要である.これらの課題を解決するため,進化計算の新しい選択法,過去の合コン結果の新たな解評価への再利用法を考案した.提案システムを評価するため,カップルになった男女の属性情報を解としてそのまま利用する比較手法を用意し,計算機シミュレーションにより比較を行った.結果,提案手法が,比較手法に比べて,半分の合コン実施回数で,約2倍のカップル成立数を達成できることを確認した.
著者
黒岩 将 安本 慶一 村田 佳弘 伊藤 実
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.1-6, 2012-02-23

合コン (お見合いパーティ) では,できるだけ多くのカップルを成立させたいという要求が発生する.本論文では,合コン結果から,カップルが成立しやすい男女の属性情報の組 (好相性と呼ぶ) を,対話型進化計算を用いて求めることで,理想的な合コンメンバー (合コン参加者名簿) を決定するシステムを提案する.提案システムでは,男女の属性情報の組を進化計算の解候補集合としてシステムに持たせ,合コンでのカップル成否を解候補の評価値としてフィードバックしながら,好相性を表現する解集合の獲得を目指す.提案システムを評価するため,比較手法として一般的に考え得る単純なグリーディ手法を用意し,実施した計算機シミュレーションの結果を報告する.There is a demand to maximize the number of successful couples in matchmaking party called Gokon. In this paper, we propose a method to find good affinity patterns between man and woman from resulting matches of Gokon by encoding their attribute information and using interactive evolutionary computation scheme. We also propose a system to assign the best members to each Gokon based on the method. The purpose of the proposed system is to derive good affinity patterns. For this purpose, a specified number of candidate solutions as chromosome of evolutionary computation (EC) are initially prepared in the system. By feeding back the results of Gokon to the candidate solutions as fitness value of EC, semi-optimal solutions are derived. To evaluate the system, we prepared a greedy method to compare the system. We report the result of computer simulation to test the proposed method and the greedy method.
著者
黒岩 将 安本 慶一 村田 佳洋 伊藤 実
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-56, 2013-03-12

合コン(お見合いパーティ)では,できるだけ多くのカップルを成立させたいという要求が発生する.本論文では,合コン結果から,カップルが成立しやすい男女の属性情報の組(好相性と呼ぶ)を,進化計算を用いて求めることで,理想的な合コンメンバ(合コン参加者名簿)を決定するシステムを提案する.提案システムでは,男女の属性情報の組を進化計算の解集団(初期個体群)としてシステムに持たせ,合コンでのカップル成否を解の評価値(適応度)としてフィードバックしながら,好相性を表現する準最適解集団の獲得を目指す.提案システムの実現には,複数の好相性の同時探索,様々な参加者による多数の合コンの実施が必要である.これらの課題を解決するため,進化計算の新しい選択法,過去の合コン結果の新たな解評価への再利用法を考案した.提案システムを評価するため,カップルになった男女の属性情報を解としてそのまま利用する比較手法を用意し,計算機シミュレーションにより比較を行った.結果,提案手法が,比較手法に比べて,半分の合コン実施回数で,約2倍のカップル成立数を達成できることを確認した.There is a demand to maximize the number of successful couples in match-making party called Gokon. In this paper, we propose a method to find good affinity patterns between man and woman from resulting matches of Gokon by encoding their attribute information and using evolutionary computation scheme. We also propose a system to assign the best members to each Gokon based on the method. The purpose of the proposed system is to derive good affinity patterns. For this purpose, a specified number of solutions as chromosome of evolutionary computation (EC) are initially prepared in the system. By feeding back the results of Gokon to the solutions as fitness value of EC, semi-optimal solutions are derived. To realize the proposed system, we need simultaneous search of multiple different good affinity patterns and efficient evaluation of solutions through many Gokons with various attribute members. To these challenges, we devise new methods for efficient selection operation and reuse of the past matches to evaluate new solutions. To evaluate the system, we prepared a comparative method which uses attribute information between a man and a woman who made a match as a solution. Through computer simulation, we confirmed that the proposed system achieves twice as many successful couples as the comparative method with about half of evaluation times.
著者
玉置 理沙 藤本 まなと 諏訪 博彦 安本 慶一
雑誌
第28回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
pp.98-105, 2020-11-04

近年,糖尿病患者のための血糖値コントロール支援が盛んに行われている.しかし,糖尿病患者ではない成人を支援する手法はほとんど存在しない.血糖値の高すぎるピークや長時間に及ぶ食後高血糖は,2 型糖尿病をはじめとする生活習慣病を引き起こす原因となり,糖尿病患者と診断される前の未病の段階で予防することが重要である.そのためには,血糖値コントロールが必要であり,リアルタイムで血糖値を把握しながら血糖値を予測できることが望ましい.本研究では,摂取予定の食事を撮影すると,事前に予測血糖値を提示し,また,血糖値の高いピークが生じる可能性が高い場合には摂取して良い食べ物と摂取すべきでない食べ物を提示することで,血糖値をコントロールするシステムを提案する.本研究では,血糖値コントロールシステムへの実現に向けた第一段階として,血糖値推定モデルの作成と検証を目的としたデータ分析を行った.具体的には,4 名の被験者から血糖値推定を目的とし,食事中の GI 値や前回の食事時間からの経過時間,睡眠時間のデータを収集・特徴量を抽出し,各被験者に対する血糖値推定モデルをランダムフォレストを使って構築した.その結果,最も精度の高い被験者の RMSE(二乗平均平方根誤差)は 10.09,R^2(決定関数)は 0.82,MAE(平均絶対誤差)は 6.00 であった.この結果から,提案システムの実現可能性が示された.
著者
丸山 敦史 柴田 直樹 村田 佳洋 安本 慶一 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.2678-2687, 2004-12-15
被引用文献数
17

本論文では,観光のためのパーソナルナビゲーションシステム"P-Tour" を提案する.P-Tour は,ユーザが出発地と出発時刻,帰着地と帰着時刻,複数の観光候補地と各地への立ち寄り希望度と時間制約(到着時間帯や滞在時間など)を設定すると,制限時間内で巡回可能かつ最も満足度が高くなるような巡回経路(いくつかの観光地を含む)と各観光地への到着・出発予定時刻を含むスケジュールを算出しユーザに提示する機能を提供する.P-Tour は決定したスケジュールに従い,GPS 機能を備えた携帯端末を介し,ユーザにナビゲーション機能を提供する.提案するナビゲーション機能では,現在地を中心とする地図と次の目的地への経路の表示などの空間的な誘導に加え,各目的地での,滞在可能時間の表示や出発時刻の通知などの,時間的な誘導機能を提供する.遺伝的アルゴリズムを用いて準最適なスケジュールを高速に算出するアルゴリズムを設計・開発し,Java サーブレットとして実装した.PC や携帯端末からウェブインタフェースを介してスケジュールの作成,ナビゲーション機能が利用できる.市販のカーナビゲーションシステム用のデジタル地図を用いた評価実験により,準最適なスケジュールを実用的時間で案内できることなどを確認した.In this paper, we propose a personal navigation system for tourism called P-Tour. In PTour, when a tourist specifies the starting location, the departure time, the returning location, the arrival time and the multiple candidate destinations with relative importance and time restrictions on their arrival and staying time, the nearly best schedule is automatically computed. P-Tour can efficiently navigate the tourist according to the decided schedule through a portable computing device with GPS. In addition to the standard navigation function to guide users to destinations by displaying a graphical map, P-Tour provides temporal guidance for the tourist to follow the schedule. We have developed a route search engine to obtain a semi-optimal solution quickly using techniques of genetic algorithms. The engine has been developed as a Java Servlet and can be used from PCs and portable devices via http protocol. Our experimental results show that our route search engine can compute the nearly best schedule in reasonable time.
著者
日高 真人 松田 裕貴 諏訪 博彦 多屋 優人 安本 慶一
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.23-36, 2021-12-31 (Released:2022-01-25)
参考文献数
36

スマートツーリズムは,世界的に注目を集めている。その構成要素の一つとして,ユーザの観光履歴や嗜好に基づく推薦システムが多く提案されている。一方で,マーケティングの分野では,近年,パーソナリティや動機などの心理的要素に着目した推薦の研究がなされているが,観光分野では少ない。そこで,本論文では,どのような特性のユーザにどのような推薦をすべきかを明らかにするために,観光客のパーソナリティに着目し観光行動との関係性を分析する。具体的には,「観光客のパーソナリティの違いによって観光行動(観光行動エリア・観光行動カテゴリ)が異なるか」について検証を行う。検証のために,1,000人に京都観光を想定したアンケート調査を実施している。検証の結果,観光客のパーソナリティの違いによって観光行動が異なることを確認している。具体的には,外向性が低い観光客は清水寺などの人気のある観光エリアに行きやすいなど,を明らかにしている。また,その結果に基づいて,外向性が低い観光客に対しては観光スポットの人気度を示したり,他の観光客からのレビューを表示したりするなど,パーソナリティに合わせた観光推薦について考察している。
著者
石丸 大稀 藤本 まなと 中村 優吾 諏訪 博彦 安本 慶一
雑誌
2021年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021-09-10

本研究では人が互いにコミュニケーションを取る際,リアルとバーチャルでどのような違いがあるのかを考察し,その違いを小さくするための技術開発を行う.本発表では目的や用途による変化の分析から,今後のAR技術開発の対象とする分野を検討する.
著者
鶴山 優季子 諏訪 博彦 小川 祐樹 荒川 豊 安本 慶一 Yukiko Tsuruyama Hirohiko Suwa Yuki Ogawa Yutaka Arakawa Keiichi Yasumoto
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.1-6, 2019-03-07

飲食店向け不動産物件の賃料は,不動産会社のベテラン営業職員が培ってきた経験や勘といった暗黙知に基づいて決定されている.賃料の決定要因としては,物件固有の情報である静的情報,物件周辺の情報である動的情報,物件の特徴などを含む潜在的情報が挙げられている.潜在的情報は,ベテラン営業職員による指標化が難しいとされる情報である.本研究では潜在的情報として,物件に付与されているキャッチコピーを用いる手法を提案する.キャッチコピーはDoc2Vec によりベクトル表現に変換し,ノイズを除去するため,品詞の選別を行なった.その結果,品詞の選別を行うことで推定精度が向上し,重回帰分析を用いた場合に,決定係数が0.611 と最も高い値が得られた.
著者
黒岩 将 安本 慶一 村田 佳洋 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
巻号頁・発行日
2013-03-12

合コン(お見合いパーティ)では,できるだけ多くのカップルを成立させたいという要求が発生する.本論文では,合コン結果から,カップルが成立しやすい男女の属性情報の組(好相性と呼ぶ)を,進化計算を用いて求めることで,理想的な合コンメンバ(合コン参加者名簿)を決定するシステムを提案する.提案システムでは,男女の属性情報の組を進化計算の解集団(初期個体群)としてシステムに持たせ,合コンでのカップル成否を解の評価値(適応度)としてフィードバックしながら,好相性を表現する準最適解集団の獲得を目指す.提案システムの実現には,複数の好相性の同時探索,様々な参加者による多数の合コンの実施が必要である.これらの課題を解決するため,進化計算の新しい選択法,過去の合コン結果の新たな解評価への再利用法を考案した.提案システムを評価するため,カップルになった男女の属性情報を解としてそのまま利用する比較手法を用意し,計算機シミュレーションにより比較を行った.結果,提案手法が,比較手法に比べて,半分の合コン実施回数で,約2倍のカップル成立数を達成できることを確認した.
著者
永田 宗伸 村田 佳洋 柴田 直樹 安本 慶一 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.23-31, 2007-03-15
参考文献数
9
被引用文献数
2

今日の観光において,団体ツアーなどのグループ観光は,個人旅行に比べて費用などの点においての利点を持つ.しかし団体ツアーは,参加メンバの細かな嗜好や制約の違いを反映させることが難しい.本論文では,訪れたい観光地が少しずつ異なる複数のメンバがグループで観光する際に,メンバそれぞれの希望を満たしつつ,希望の合致する部分を共有するようなスケジュールを算出する問題を定義し,それを実用時間で計算する遺伝的アルゴリズム(以下,GA)を用いた近似アルゴリズムを提案する.取り扱う問題においては,メンバの数や巡回候補地の数に応じて,スケジュール中の単独行動とグループ行動の間の分離・合流地点の組合せが爆発的に増える.提案手法におけるGA の解のコーディングでは,分離・合流地点を"参照遺伝子" と呼ばれる遺伝子で表し,解候補の評価値を計算する際に,複数メンバのスケジュールをこの遺伝子を介して結合するという手法を採用した.これにより,広大な解空間を効率良く探索することが可能となり,評価実験を行った結果,メンバ数3~9 程度のグループ観光に対し,高速に準最適な解を得られることを確認した.Group tour is popular in recent years because of its reasonable cost. In group tour, however, members must follow the same schedule, and there is little flexibility to reflect preferences of the members. In this thesis, we propose a GA-based approximation algorithm to find the minimum cost schedule (including routes and stay time at each spot) for a flexible group tour with members who have different preferences. In this problem, the number of combinations of leaving and joining points exponentially increases. In the proposed algorithm, we used the gene called "reference gene". This gene means point where members leave or join in the schedule. With this coding of chromosome, efficient searching in the vast search space is achieved. We implemented and evaluated the proposed algorithm. We confirmed that our algorithm can find efficient schedules within reasonable time for group tours with practical size, 3 to 9 members.
著者
小山 由 水本 旭洋 今津 眞也 安本 慶一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.44, pp.171-177, 2012-05-14
参考文献数
10

本稿では,大規模災害により3G通信が利用不可能になったエリアでの情報の収集および発信を可能にするため,Twitterにつぶやかれた安否情報をメッセージデータとして保持し,DTN (Disruption-Tolerant Networking)によるユーザ同士のすれ違い通信によって3G通信が利用可能なエリア(以後,通信可能エリア)までメッセージの中継を行うことを可能にするシステムを提案する.到達したメッセージはTwitterシステムに送信して被災地外のユーザにメッセージを閲覧可能にすると共にGoogle Person Finder等のインターネット上の災害データベースとも連携し,投稿されたメッセージを基に情報の自動登録,及び検索を可能にする.このシステムを実現する上での課題は,(1)最短時間で安否情報を通信可能エリアへ配送することと,(2)通信不可能エリアのどこかに存在する特定のユーザに,Twitterの返信メッセージを的確に,かつ最短に配送することである.これらの課題を解決するため,提案システムでは各ユーザ端末に通過地点と3G通信状況の履歴に加え,他のユーザ端末との遭遇履歴を記録させ,3G通信可能エリアおよび特定ユーザに最短時間で到達する経路表を構築し,すれ違い時に経路表を他のユーザと交換することで,経路表を更新していく.また,提案手法の性能評価を適切に行うためのシミュレーション方法について述べる.
著者
脇坂 洋祐 柴田 直樹 北道 淳司 安本 慶一 伊藤 実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.657-668, 2016-02-15

マルチコアプロセッサを搭載した計算機が広く利用されるようになり,また様々なタスクスケジューリング手法が利用されている.マルチコアプロセッサの処理性能を向上させるため,ターボブーストおよびハイパースレッディングと呼ばれる処理高速化および並列処理技術が開発され,搭載されるようになった.これらはそれぞれ一部のコアが使用されていないときに使用されているコアの動作周波数を向上させる技術と,1つの物理コアを複数の論理プロセッサに見せかける技術である.既存のタスクスケジューリング手法は,これらの最新技術を考慮しておらず,多数のタスクを1つのプロセッサに集中させる傾向がある.本研究では,ターボブーストおよびハイパースレッディングによる実効動作周波数の動的変更とネットワークコンテンションを考慮し,より計算機資源を有効に活用するためのタスクスケジューリングアルゴリズムを提案する.実機実験を通してターボブーストおよびハイパースレッディングによる動作周波数モデルを作成し,タスクの処理時間を正確に推定することで両技術を考慮したタスクのスケジュールを行う.シミュレーションと実機実験による評価の結果,提案手法は全体の処理時間をシミュレーションで最大43%,実機実験では最大で36%短縮できることを確認した.
著者
黒岩 将 安本 慶一 村田 佳弘 伊藤 実
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MPS-87, no.7, pp.1-6, 2012-02-23

合コン (お見合いパーティ) では,できるだけ多くのカップルを成立させたいという要求が発生する.本論文では,合コン結果から,カップルが成立しやすい男女の属性情報の組 (好相性と呼ぶ) を,対話型進化計算を用いて求めることで,理想的な合コンメンバー (合コン参加者名簿) を決定するシステムを提案する.提案システムでは,男女の属性情報の組を進化計算の解候補集合としてシステムに持たせ,合コンでのカップル成否を解候補の評価値としてフィードバックしながら,好相性を表現する解集合の獲得を目指す.提案システムを評価するため,比較手法として一般的に考え得る単純なグリーディ手法を用意し,実施した計算機シミュレーションの結果を報告する.
著者
鳥羽 望海 藤本 まなと 諏訪 博彦 酒井 元気 酒造 正樹 安本 慶一
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2022-ICS-206, no.2, pp.1-7, 2022-03-03

労働者の心理状態を知ることは,労働者の不調を上司や産業医が事前に把握し,健全な組織運営をすることに貢献する.一方,昨今の COVID-19 の影響で,労働者がテレワークが取り入れられるようになり,上司や産業医にとってテレワーク中の労働者の心理状態は把握しにくい.我々は費用と労力,感染リスクを減らせるメリットがあるオンラインミーティングサービスに着目し,オンラインミーティングで得られる動画や音声などのマルチモーダルデータを用いて労働者の感情を推定する手法を検討する.オンラインミーティングサービスを用いてグループディスカッションを被験者にしてもらい,そこから映像,心拍など様々なデータをセンシングして参加者の状態を推定する.グループディスカッション中の参加者の心拍,発言録から得られた感情極性,顔のランドマーク座標,他者からの感情アノテーションの 4 種類の指標から,他者への感情アノテーションを推定するために Light GBM (Gradient Boosting Machine),SVR (Support Vector Regression) の解析を行った結果,平均絶対誤差に関して 1.780 という結果を算出した SVR のほうが良いモデルであることがわかった.
著者
山本 眞也 村田 佳洋 安本 慶一 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
巻号頁・発行日
2006-02-15

本論文では,ネットワークゲーム向け分散型イベント配送方式を提案する.本方式は,ロビーサーバを用いたHybrid P2P の環境で多人数参加型ネットワークゲームを実現することを目的としている.これを実現するため,ゲームで発生するイベントの登録・通知をゲーム領域の分割によってできた部分領域ごとにゲーム参加者の計算機に担当させ,分散処理させる.各領域のプレイヤ数が増加してイベント通知を担当する計算機の負荷が高くなると,複数の計算機からなる負荷分散木を動的に構築し,イベント通知を負荷分散木を経由して行うことで1台あたりの負荷を軽減する.また,負荷分散木上のノードの動的入れ替えによる,エンド・エンドのイベント配送遅延の短縮法,各プレイヤの視界が複数の部分領域にまたがる場合のイベント配送法を提案する.LAN環境で動作するプロトタイプシステムによる実験と,ns-2によるシミュレーション実験を行い,提案手法が現実のネットワークゲームを実現するうえで,実用的な性能を達成できることを確認した.In order to achieve multi-party networked games with lobby server in Hybrid P2P enviroments, we propose a publish/subscribe based distributed event delivery method. In our method, a shared game space is divided into multiple sub-areas and some nodes are selected from all players to deliver game events occurring in their responsible areas to player nodes. This method also includes a load balancing mechanism which allows each responsible node for the crowded area to dynamically construct a tree of multiple nodes and deliver events along the tree to reduce event forwarding overhead per node. We also propose techniques (1) to reduce end-to-end event delivery latency by dynamically replacing nodes in the tree, and (2) to efficiently deliver events to players who have visible areas over multiple sub-areas. Experiments in LAN using our prototype system and through simulations with ns-2, we have confirmed that the proposed method can achieve practical performance for MMORPG.
著者
橘 達弘 村田 佳洋 柴田 直樹 安本 慶一 伊藤 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.381-392, 2008-01-15
参考文献数
19
被引用文献数
1

多目的遺伝的アルゴリズム(Multi-Objective Genetic Algorithms,MOGA)は,多目的最適化問題を解くために単一目的遺伝的アルゴリズムを拡張した最適化手法である.MOGA では複数の個体群の多様性を維持するための手法であるニッチ法やランク戦略がよく用いられるため,単一目的GA よりさらに計算量が大きくなる傾向がある.本論文では,多目的最適化問題を高速に解くことを目的とし,ハードウェア化のためのMOGA のアーキテクチャを提案する.提案方式では,世代交代モデルとしてハードウェア化に適したMinimal Generation Gap モデルを採用する.既存のニッチ法やランク戦略をパイプライン処理で実装することは困難なため,パイプライン処理に適した多様性を維持する手法を設計,採用した.また,解探索能力の向上のために,島モデル型GA の各島の目的関数を改変した並列GA モデルに即した並列実行方式を設計し,提案アーキテクチャに採用した.実験の結果,提案アーキテクチャによるMOGA 回路はNSGA-II より優れた探索能力を持つことを確認した.Multi-Objective Genetic Algorithms (MOGAs) are enhancement of Single-Objective Genetic Algorithms (SOGAs) to solve multi-objective optimization problems. Since MOGAs require a special selection mechanism such as ranking strategy and niching method to preserve diversity of individuals, MOGAs require larger computation power than SOGAs. In order to improve calculation speed of MOGAs, we propose a new method to easily implement MOGAs as high performance hardware circuits. In the proposed method, we adopt a simple minimal generation gap model as the generation model, which is easy to be pipelined. Since it is difficult to implement niching method and ranking strategy as pipelined circuits, we developed a new selection mechanism which is suitable for hardware implementation. In order to improve search efficiency, our method also includes a parallel execution architecture based on island GA. In this architecture, we use different objective function for each island. Through experiments, we confirmed that our method has higher search efficiency than NSGA-II.
著者
前田 直樹 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.477-478, 2016-03-10

初対面の人物とコミュニケーションを取るには切っ掛けとなる要因が必要である。要因の一つとして記念撮影が挙げられるが、初対面の相手に記念撮影を申し込むのは難しい。本システムでは、会場内を巡回する掃除ロボットと顔認識装置を用いることで初対面の人間同士の記念撮影を行いコミュニケーション支援を行う。コミュニケーション支援として、本システムが人間に対して話題を投げかけることで記念撮影を行った人間同士での会話を誘発させるコミュニケーションの円滑化や、本システムが異なる人間との記念撮影を要求することで新たな初対面の人物とのコミュニケーションの誘発を行う。