著者
早川 清雄 高岡 晃教 亀山 武志
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、毎日、多くの食事を摂取している。食事には、ビタミン・ミネラル・タンパク質をはじめとした必須な栄養素が豊富に含まれており、それらが身体や健康の維持に重要であることが明らかにされている。しかしながら、食品に含まれる核酸による機能性は、ほとんど明らかにされていない。そこで、食品に含まれる核酸に注目し自然免疫応答に対する効果について検討を行った。免疫応答をつかさどるマクロファージ細胞に対して数種類の食品から抽出した核酸と口腔内に存在するペプチドを混合し処理を行うと、細胞質のセンサー分子を介して自然免疫応答が活性化されることがわかってきた。食品由来の核酸は、健康の一端を担っている可能性がある。
著者
早川 清雄 成 英瀾
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

近年、生活習慣病とその基盤病態として『慢性炎症』が注目されている。申請者は、活性化されたマクロファージでは脂質代謝と炎症シグナルとが密接に連携して制御されていること、炎症刺激後に増加する脂質合成はカスパーゼ依存的であることを見いだした。炎症応答に伴うカスパーゼの活性化は従来よく知られた細胞死のシグナルとなるだけでなく、 脂質合成の亢進を介して炎症の慢性化を防ぐ生存シグナルとしても機能している可能性が高い。本研究ではカスパーゼを介する脂質代謝制御の観点から炎症慢性化の分子メカニズムを明らかにすることを目指す。