著者
明神 聖子 島田 伸敬
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.440-443, 2015-09-18

近年,拡張現実感(AR)を用いて,演奏や作曲などの音楽表現活動を支援することが行なわれてい る.AR を媒介させることが,楽器や五線紙を用いた演奏・作曲活動にはないどのような意味を音楽表現 活動に与えるのかを総括的に知ることは,AR が本質的に人間に与える意味を考える上でも重要である. 本稿では過去の AR 音楽システムの事例を取り上げ,AR が音楽表現活動に与える意味について考察する.
著者
明神 聖子 白井 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.110, no.238, pp.1-5, 2010-10-14
参考文献数
18

本研究では,ユーザの視界に入りこみながら,ユーザ間の日常的な会話を邪魔することなく,システムの存在に気を留めたときにはユーザの会話を促進するインタフェースを提案する.本インタフェースでは,ユーザが突っ込みを入れたくなるように,独り言のストーリー展開において,ユーザの予測を裏切る.そのことによって,ユーザは他者を意識した突っ込みを入れたくなり,会話が活性化すると考えられる.また本研究では,システムが語る内容として,「思い出」を採用する.システムが,思い出を独り言で一部始終語ることによって,その思い出のトピックに関するユーザの記憶を想起させる.また,その独りごとに対する他者の感想やコメントを提示することによって話題の幅を広げる.
著者
明神 聖子 馬場口 登
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-39, no.5, pp.1-6, 2017-09-22

本稿では,メディアを介した伝達情報の不定性と,それによって人が騙されるときの思考状態について考察を与える.メディアを介して人から人へ情報として伝えようとしても,別々の認知体系を持ち,それぞれの閉じた世界の中で情報の解釈を行う我々は,全く同じ意味内容を共有することはできないといわれている.そのような意味が定まらない情報を人が推定するというプロセスが,単に人と人の間で意味の齟齬を引き起こすだけでなく,人を騙すために機能するというところを数理的に表現し,自己の世界が解釈した対象の意味内容によって,信じるという状態が生じさせられていることを示す.