著者
原 尚人 松尾 知平 高木 理央 星 葵 佐々木 啓太 橋本 幸枝 澤 文 周山 理紗 岡崎 舞 島 正太郎 田地 佳那 寺崎 梓 市岡 恵美香 斉藤 剛 井口 研子 都島 由希子 池田 達彦 坂東 裕子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.205-209, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
10

2016年4月内視鏡甲状腺手術が良性疾患に対して念願の保険収載が認められた。しかし,質の担保などの課題は残る。今後の最大目標は今回見送られた悪性腫瘍に対する内視鏡甲状腺手術の保険適応である。しかし,難解な問題点と課題が山積みである。そして将来は日本独自のロボット支援手術機器の開発が望まれると考える。これら今後の展望における問題点と課題についての考えを述べる。
著者
星 葵 亀田 光宏 榊 聡子 井上 翔太 小林 紀子 熊谷 雄基 松永 康二郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.A-65_1-A-65_1, 2019

<p>【背景・目的】</p><p>我々は食欲の評価指標であるCNAQを用いることで,食欲低下のある慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は6ヶ月後に体重が減少し6分間歩行距離が低下することを報告した.一方で,COPD患者は,%標準体重(% ideal body weight:%IBW)が90%未満の場合に栄養障害と判断され,栄養障害が重症化するほど改善が困難なため,体重が正常範囲の時点で栄養障害を予測する必要性がある.本研究では,栄養障害のないCOPD患者の食欲低下が体重と運動耐容能に与える影響を検証した</p><p> </p><p>【方法】</p><p> 対象は,当院呼吸器内科にて外来通院している栄養障害がなく食欲低下しているCOPD患者6名(年齢77.6±3.4歳,FEV1.0%34.7±7.3%,%IBW97.5±3.6%,BMI21.7±0.8,CNAQ25±2)とした.初期評価時より6ヶ月後の体重と%IBWの変化率,及び6分間歩行試験(6MWT)の変化率に対し,Wilcoxon符号付順位和検定を用いて比較した.有意水準5%未満とした.</p><p> </p><p>【結果】</p><p> 初期評価と比較し6ヶ月後の体重が5.4±2.7kg減少,%IBW9.4±4.7%減少した(p<0,05).また,6MWTが66±33m減少した(p<0,05).</p><p> </p><p>【考察】</p><p> COPD患者では,%IBWが90%未満の軽度体重減少の場合は食事指導などの栄養治療の適応となるが,90%以上では正常体重と判断され経過観察となる.しかし,今回の結果より経過観察となる正常体重のCOPD患者が食欲低下を認めた場合,6ヶ月後には栄養障害に移行し運動耐容能が低下することが示唆された.今後は,CNAQを用いて食欲低下を評価し,栄養障害を予測し早期の食事指導を開始し,呼吸リハビリテーションを併用することで治療効果を高めていく必要がある.</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>人を対象とする医学研究に関する倫理指針に基づき,各症例に対して説明と同意を得た.</p>