著者
原 尚人 松尾 知平 高木 理央 星 葵 佐々木 啓太 橋本 幸枝 澤 文 周山 理紗 岡崎 舞 島 正太郎 田地 佳那 寺崎 梓 市岡 恵美香 斉藤 剛 井口 研子 都島 由希子 池田 達彦 坂東 裕子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.205-209, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
10

2016年4月内視鏡甲状腺手術が良性疾患に対して念願の保険収載が認められた。しかし,質の担保などの課題は残る。今後の最大目標は今回見送られた悪性腫瘍に対する内視鏡甲状腺手術の保険適応である。しかし,難解な問題点と課題が山積みである。そして将来は日本独自のロボット支援手術機器の開発が望まれると考える。これら今後の展望における問題点と課題についての考えを述べる。
著者
山本 理絵 斉藤 剛 青木 弘道 飯塚 進一 秋枝 一基 猪口 貞樹
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.12, pp.865-873, 2014-12-15 (Released:2015-03-12)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

急性薬物中毒は救急医療において重要な分野の一つであり,起因物質の特定は治療を行う上で極めて重要である。厚労省により薬毒物分析機器の配置が行われてきたが,機器による分析は難しく,簡便かつ迅速な検査法として尿中薬物簡易スクリーニングキットが多くの医療機関で使用されている。しかし,尿中薬物簡易スクリーニングキットは分析対象が限定され検出不能な薬物があること,体内動態や交差反応による陽性や感度不足による陰性があることから,薬物の特定には定量分析が必要となる。本研究では,ガスクロマトグラフ質量分析装置(gas chromatograph mass spectrometer: GC/MS)や液体クロマトグラフ質量分析装置(liquid chromatography-tandem mass spectrometer: LC-MS/MS)による血中薬物の定量分析結果をgolden standardとして,当院で使用している尿中薬物簡易スクリーニングキットTriage DOA® の臨床的有用性について検討した。2009年4月~2013年3月までに当施設を受診し入院となり,Triage DOA® と定量分析の双方を施行した急性薬物中毒822例を研究対象とした。ベンゾジアゼピン系睡眠薬およびベンゾジアゼピン系抗不安薬(BZO),バルビツール酸系睡眠薬(BAR),三環系抗うつ薬(TCA),アンフェタミン系覚醒剤(AMP)に対するTriage DOA® の感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,偽陽性率,偽陰性率について検討した。検討の結果,Triage DOA® にはいくつかの問題はあるが,救急初期治療の一次スクリーニング検査としては有用であった。しかし,TCA,AMPの陽性的中率は低く,BZOは陰性的中率が低いことから,救急現場ではTriage DOA® の解釈には十分な注意が必要である。また,近年本邦では尿中薬物簡易スクリーニングキットでは検出できない抗精神病薬やselective serotonin reuptake inhibitor,serotonin and norepinephrine reuptake inhibitorなどの抗うつ薬が数多く使われている。尿中薬物簡易スクリーニングキットで陰性でもこれらの薬物を服用している可能性を念頭に置いて初期治療を行う必要がある。
著者
斉藤 剛 穂坂 衛
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第39回, no.データ処理, pp.934-935, 1989-10-16

本報告では2次曲面の交線を求める方法を提案する。2つの2次曲面の交線を求める方法は,大別して幾何学的方法と代数的方法がある。前者は各々の曲面の型に応じた方程式を用いる。交線は,交線附近の局所的な幾何学的性質や量を用いて隣接点を逐次求めることにより得るのが一般的である。この方法では, 特異点附近でも安定していること,全ての交線が求められていることを保証しなければならない。後者は2つの曲面から線織面となるペンシル(pencil)を求め,これを用いる。交線は,ペンシルの母線と元の曲面の何れかとの交点を求めることにより得る。母線と2次曲面との交点は2次方程式の解として得られる。この方法は,エレガントであるが,線織面となるようなペンシルを求めるために4次方程式を解かなければならない。また,回転やスーリング等の座標変換および判別式による曲面形状の分類を必要とし,それらには多くの誤差を伴なう。本報告で提案する方法は,両方の良い点を取ったものである。その概要は以下の通りである。まず, 両曲面を1つの座標面に平行な面で切断する。切断面は2次曲線となる。それらの交点をペンシルを用いて求める。切断面を平行に僅かに移動した時, 切断面の2次曲線,それらのペンシルおよび交点も僅かに移動する。このペンシルの移動を「トレース」することにより,その交点の移動として交線を得る。本方式では,ある切断面でのペンシルを一度求めれば,2次方程式を解くだけで,最大4つある交点の全てが求まる。また,特異点や極値点は,ペンシルの数(3次方程式の根の数)および交点の数(2次方程式の根の数)から検査することができる。本報告では,まず, 2次曲線の交点をペンシルを用いて求める方法を述べる。次いで, 2次曲面の交線を求める方法を提案し,その例を示す。また,この応用例として2次回転体にフレット付けした例を示す。さらに,曲面上の輝度に基づいた,曲面の表示法を述べる。
著者
佐藤 洋介 高尾 昌幸 近藤 拓也 大森 茂樹 斉藤 剛史 三宅 英司 門馬 博 倉林 準 八並 光信
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ca0271, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 我々は、第46回日本理学療法学術大会でバドミントン選手において、股関節内転可動域は立位での回旋動作に影響することを報告した.体幹の動作解析は、前後屈における腰椎骨盤リズムなど矢状面上の解析が多く報告されているが、回旋動作の動作解析を報告したものは少ない状況である.体幹の回旋動作は日常生活、スポーツでも頻繁に行われる動作であり、同動作で症状を訴える症例は臨床でもよく経験する.それらの症例を前にして、体幹の回旋動作に影響する因子を知っておくことは、障害予防・パフォーマンス向上においても重要であると思われる.本研究は、健常成人を対象に回旋動作の2次元動作解析を行い、メディカルチェック(以下、MC)との関連性を明らかにし、評価・治療の一助とすることを目的とした.【方法】 対象は立位における体幹回旋動作で痛みが生じない健常成人47名(男性37名、女性10名、平均年齢25.4±3)とした.静止画撮影は、デジタルカメラ(HIGH SPEED EXILIM EX-ZR 10BK、CASIO)を用い、反射マーカを両側肩峰・両側第5肋骨・両上前腸骨棘の計6点に貼り、正面から行った.運動課題は、足隔を肩幅に開いた静止立位から体幹の立位最大回旋動作を行った.運動課題時は、体幹回旋時に肩甲帯の前方突出を防ぐため、上肢を固定した.さらに口頭にて足底全面接地、両膝関節伸展位保持を指示し、確認しながら計測を行った.得られた画像に対して画像処理ソフトウェアImageJで各反射マーカの座標を求め、肩峰・肋骨・上前腸骨棘レベルにおいて静止画像と体幹回旋後の画像から左右のマーカの直線距離を算出し、三角関数を用いて回旋角度を求めた.MCは、関節可動域表示ならびに測定法:日本リハビリテーション医学会(以下、ROM)に準じた方法で、座位体幹回旋、股関節内転、股関節内旋(背臥位)の可動域を測定した.さらに腹臥位で膝関節90度における股関節内旋(以下、股関節内旋(腹臥位))可動域を測定した.得られた座位体幹回旋、股関節内転、股関節内旋(背臥位)の可動域は、関節可動域の参考可動域を基準として、制限がある群とない群の2群に分類した.股関節内旋(腹臥位)の可動域はこの計測データにおける中央値を基準に、制限がある群とない群の2群に分類した.体幹の立位最大回旋動作時の肩峰・第5肋骨・上前腸骨棘の各レベルに対する回旋角度について、一元配置分散分析を行い、要因の主効果が認められた場合に多重比較検定を行った.有意水準は危険率5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 所属法人における倫理委員会の許可を得た.対象には、ヘルシンキ宣言をもとに、保護・権利の優先、参加・中止の自由、研究内容、身体への影響などを口頭および文書にて説明した.同意書に署名が得られた対象について計測を行った.【結果】 座位体幹回旋制限群と股関節内旋(腹臥位)制限群の双方は、肩峰、第5肋骨、上前腸骨棘の各レベルにおいて有意差を認めた(P<0.05).股関節内転可動域制限群は、肩峰レベルでのみ有意差が認められた(P<0.05).背臥位での股関節内旋可動域制限群は各レベルで有意差を認めなかった.【考察】 前回報告したバドミントン選手における傾向と同様に、体幹の立位最大回旋動作は、股関節内転が参考可動域より下回ることで、制限を受けることが認められた。体幹の立位最大回旋動作と股関節内旋(腹臥位)とで関連性が認められた.股関節内旋(腹臥位)は、測定肢位が股関節中間位であり、股関節周囲の軟部組織における緊張が、立位と同様である点が反映したものと考えられた.股関節内旋(背臥位)と体幹の立位最大回旋動作で関連性が見られなかったのは、股関節内旋可動域(背臥位)は股関節屈曲位で測定するため、軟部組織の緊張や股関節面の適合度が立位での回旋動作と異なったためと考えられた. 今回の結果では、座位体幹回旋と股関節内旋可動域(腹臥位)と、体幹の立位最大回旋動作との関連が考えられた.股関節内旋可動域(背臥位)は立位での体幹回旋動作と関連しないと考えられた.体幹の立位最大回旋動作は、股関節中間位における関節面適合度と股関節周囲における軟部組織の影響が及ぶと考えられた.同じ股関節の運動で、肢位によって関連性に差がみられたことから、各種作業やスポーツ動作それぞれに応じた姿勢で評価しなければ動作を反映しているとは言い難く、姿勢に合わせた評価・治療が重要であると考えた.【理学療法学研究としての意義】 体幹の回旋動作は日常生活、スポーツ動作でも頻繁に行われる動作である.今回の実験結果から、立位での体幹回旋動作は体幹回旋可動域と腹臥位での股関節内旋に着目していく必要性が示唆された.
著者
宮地 元彦 奥津 光晴 中原 英博 斉藤 剛
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.91-97, 1999-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

A study was conducted to determine non-invasively the effects of endurance training on the size of the inferior vena cava in humans. Twelve healthy male subjects were assigned to either an exercise-trained group (ET, n=7) or a sedentary control group (S, n=5) . The ET group underwent cycle-endurance training for 8 weeks (80%Vo2max, 40 min/day, 4 days/week) . The S group led normal lives during the 8-week period. Before and after the training period, cross-sectional areas (CSA) of the inferior vena cava and the ascending and abdominal aorta were measured by echography. The CSA of the inferior vena cava after training was significantly larger than that before training in the ET group. There was no significant difference in the S group. These results indicate that the inferior versa cava can be morphologically altered as an adaptive response to endurance training. We consider that this adaptation partly contributes to the improvement in the efficiency of venous return from exercising muscles to the heart. Although the present training also increased the CSA of the aorta, the degree of change was smaller than that seen in the inferior vena cava, implying that the factors of adaptation and adaptability to endurance training in the inferior vena cava differ from those in the aorta.
著者
黒田 満 斉藤 剛 渡辺 由美子 東 正毅
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.555-562, 1997-03-15

計算機援用の形状設計に有用な,曲率が弧長の区分2次関数となる曲率微分連続な補間曲線の導き方について述べている.弧長によってパラメトリック表現されるこの曲線は,曲率がスパン内に変曲点を持たず比較的変化が少ないという好ましい性質を持っている.汎用の数式処理システムを導入して与点通過と境界条件からなる非線形連立方程式を解いてこの曲線を導いている.記号式も数値と同様に処理できるのでアルゴリズムを簡潔に記述することができるとともに種々の境界条件をデータとして与えることができる.また,導出された曲線の各スパンをG2連続な2クロソイド弧で局所的に近似する方法を示して従来曲線との整合性をとっている.
著者
黒田 満 斉藤 剛 渡辺 由美子 東 正毅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.555-562, 1997-03-15
被引用文献数
1

計算機援用の形状設計に有用な,曲率が弧長の区分2次関数となる曲率微分連続な補間曲線の導き方について述べている.弧長によってパラメトリック表現されるこの曲線は,曲率がスパン内に変曲点を持たず比較的変化が少ないという好ましい性質を持っている.汎用の数式処理システムを導入して与点通過と境界条件からなる非線形連立方程式を解いてこの曲線を導いている.記号式も数値と同様に処理できるのでアルゴリズムを簡潔に記述することができるとともに種々の境界条件をデータとして与えることができる.また,導出された曲線の各スパンをG2連続な2クロソイド弧で局所的に近似する方法を示して従来曲線との整合性をとっている.This paper presents a method for obtaining an interpolating G3 curve useful for computer aided design,whose curvature is piecewise quadratic of arclength and so does not have any inflection point in each span.The curve is derived from a system of nonlinear equations based on interpolation conditions and boundary conditions by general purpose computer algebra system.The method describes an algorithm concisely and tries various boundary conditions because it can manipulate symbolic expressions as well as numerical data.A method is also presented for approximating each span of the derived curve as a G2 bi-clothoid for consistency with the conventional curve.
著者
穂坂 衛 斉藤 剛 小林 弘忠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.263-264, 1992-09-28

IATEXによる印刷原稿をその出力とする知的デスクワーク支援システムの機能と支援方式について述べる.本システムの原型は,IATEX利用援助システムであるが,その後の進展はその枠を越えたものになった.本システムは,原稿清書印刷のためにだけにIATEXを利用するのではなく,思考援助と整理,論理的な文書作成,さらに高品質な図や表の作成,ファイリング,手紙書式整え等,われわれが日常行なっているデスクワーク全般に利用できるように作られている.始めのシステムでは原稿をIATEX出力にすることに主眼を置き,図の取扱いは基本的な機能のみであった.高品質な説明図は高品質な文書に必然的に伴うべきものであるが,IATEXのこの部分の取扱いは極めて初等的で実用になり得なかった.IATEXの優れたところはテキストにおける文字の多様性と美しさ,バランスのとれた配置であるから,図の中においてもこれを利用することを考えた.著者らはそのため,既に軽験上得られた種々のアイディアを試みると共に,その後入手して使用可能になった公開ソフトウエアうち,われわれの目的に有効に利用できるものを積極的に取込んだ.本稿では始めに本システムの機能を簡略に示し,後半では説明図作成のための機能を取扱う.
著者
斉藤 剛 穂坂 衛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.562-570, 1990-04-15
被引用文献数
2

先に報告した拡張2次有理Bezier曲線による曲線近似法の応用と拡張とを述べる.まず 毛筆などの滑らかな文字の輪郭線を近似することにより 文字の品質を保持したまま 自動的に 少ないセグメント数で高品位文字フォントが作成できることを示す.次いで 先の近似法を拡張し 線図形を記述する点の間の距離が一様でない場合も 指定された誤差範囲で 最少のセグメント数で近似できるようにする.これを用いて 既に直線近似されているフォントを その品位を上げ しかも少ない記憶量で曲線近似する方法を示す.最後に 近似曲線に2次有理Bezier曲線を用いた利点として 座標変換および領域埋めが容易かつ効率的に行えることを示す.