著者
井上 翔太郎 神吉 直宙 久呉 真章
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.278-282, 2019 (Released:2020-04-28)
参考文献数
12

急性中耳炎の頭蓋内合併症は稀だが致死率も高く神経学的後遺症を残す場合もあり早期の診断と治療が重要である。今回急性中耳炎にS状静脈洞血栓症を合併した症例を経験した。症例は11歳の女児で受診前日に急性中耳炎と診断され経口抗菌薬を処方されたが,その後嘔気・頭痛が増強し当院を受診した。発熱なく意識清明で髄膜刺激徴候はなく,CTにて右中耳炎・乳様突起炎と診断し広域抗菌薬の経静脈投与を開始した。翌日MRIで右S状静脈洞血栓症を認め,ヘパリンNaの投与も開始した。抗凝固療法は計7日間,抗菌薬投与は計14日間行った。第26病日のMRIで血栓は消失し,神経学的後遺症なく経過した。急性中耳炎で頭痛や嘔吐が強い場合,本症も念頭に置く必要がある。小児でも成人と同様に広域抗菌薬,抗凝固療法による治療が有用と考えられた。
著者
星 葵 亀田 光宏 榊 聡子 井上 翔太 小林 紀子 熊谷 雄基 松永 康二郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.A-65_1-A-65_1, 2019

<p>【背景・目的】</p><p>我々は食欲の評価指標であるCNAQを用いることで,食欲低下のある慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は6ヶ月後に体重が減少し6分間歩行距離が低下することを報告した.一方で,COPD患者は,%標準体重(% ideal body weight:%IBW)が90%未満の場合に栄養障害と判断され,栄養障害が重症化するほど改善が困難なため,体重が正常範囲の時点で栄養障害を予測する必要性がある.本研究では,栄養障害のないCOPD患者の食欲低下が体重と運動耐容能に与える影響を検証した</p><p> </p><p>【方法】</p><p> 対象は,当院呼吸器内科にて外来通院している栄養障害がなく食欲低下しているCOPD患者6名(年齢77.6±3.4歳,FEV1.0%34.7±7.3%,%IBW97.5±3.6%,BMI21.7±0.8,CNAQ25±2)とした.初期評価時より6ヶ月後の体重と%IBWの変化率,及び6分間歩行試験(6MWT)の変化率に対し,Wilcoxon符号付順位和検定を用いて比較した.有意水準5%未満とした.</p><p> </p><p>【結果】</p><p> 初期評価と比較し6ヶ月後の体重が5.4±2.7kg減少,%IBW9.4±4.7%減少した(p<0,05).また,6MWTが66±33m減少した(p<0,05).</p><p> </p><p>【考察】</p><p> COPD患者では,%IBWが90%未満の軽度体重減少の場合は食事指導などの栄養治療の適応となるが,90%以上では正常体重と判断され経過観察となる.しかし,今回の結果より経過観察となる正常体重のCOPD患者が食欲低下を認めた場合,6ヶ月後には栄養障害に移行し運動耐容能が低下することが示唆された.今後は,CNAQを用いて食欲低下を評価し,栄養障害を予測し早期の食事指導を開始し,呼吸リハビリテーションを併用することで治療効果を高めていく必要がある.</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>人を対象とする医学研究に関する倫理指針に基づき,各症例に対して説明と同意を得た.</p>
著者
井上 翔太 櫨山 淳雄
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-157, no.56, pp.1-6, 2014-03-06

本論文では Twitter 上でのつながり構築支援を目的とし,その構築支援手法の提案とシステム構築を行った.Twitter 上でのつながり構築は主に人間関係や趣味などのつながりから推薦されてきたが,人間関係や趣味でつながりが強い相手であっても,Twitter の利用頻度や投稿量が違いすぎるとコミュニケーションがうまく行えない場合がある.そこで本研究では,活動時間帯,活動量を用いたつながり構築を行えば,よりコミュニケーションをとりやすくなると考え,活動時間帯,活動量からつながり構築支援手法を提案し,システム構築,実験を行った.被験者にアンケートを行い,活動時間帯,活動量を用いた推薦は,活動時間帯,活動量を用いない推薦より,ユーザーのツイートを被験者が目にしやすいという結果が得られた.また,ツイートの中で,テレビ番組の話題など,リアルタイム性の高い話題に興味を持ったと言う回答も得られた.結論として,Twitter というリアルタイム性の高いマイクロブログにおいて,趣味や興味を取り入れず,ユーザーの活動形態を利用したユーザー推薦を行った結果,ユーザーの趣味や興味以外の日常的なツイートにおいても興味関心を抱くことがあることがわかった.またそれらは多くの人が共通して話題にするもので,特にリアルタイム性の高いものであるため,活動時間帯が同じことが重要であるという結論が得られた.