著者
淺野 悟史 時任 美乃理 西前 出
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.35(2021年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.262-267, 2021-11-30 (Released:2021-11-29)
参考文献数
7

生物多様性への気候変動の影響が懸念されている。とりわけ日本の高標高地に分布する冷温帯林はその影響を受けやすい地域のひとつである。本研究は主に冷温帯林に棲息するルリクワガタ属昆虫のモニタリングのために,♀個体と衝突板トラップ(FIT)を用いた定量調査法を検討した。従来の新芽掬い取り法と比較して効率的な捕獲が可能であり,FIT を掛ける位置による影響も小さいと考えられた。一方で,使用する♀は未交尾個体が望ましく,また系統の遠い種に対しては誘引効果を発揮しないことが示唆された。FIT の数や時間などを用いた定量調査が期待できる。