著者
赤石 大輔 中村 浩二
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.195-199, 2014
被引用文献数
2

中部日本の環境の異なる3地点からキノコ子実体を採集し,実験室内で子実体内部に成育するハエ類を羽化させた.その結果,モモグロオオイエバエ<i>Muscina angustifrons</i> (Loew)は,新たに19種のキノコを利用していることが判明した.本種は,キノコ子実体のみで羽化すること,また,カメの人工餌でも羽化することが確認された.本種の終齢幼虫は,与えられたミスジショウジョウバエ<i>Drosophila bizonata</i> Kikkawa and Pengの幼虫を捕食した.以上の結果から,野外ではキノコ子実体以外に,おそらく植物組織,糞,動物遺体などを利用する雑食性であるともに,キノコ食双翅目群集内において,ギルド内捕食者でもあると推測された.
著者
嶺田 拓也 吉迫 宏 赤石 大輔
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.635-638,a2, 2013 (Released:2020-01-10)
参考文献数
6

能登半島の先端に位置する石川県珠洲市は過疎高齢化が進行した地域であり,小規模なため池を中心に放棄や管理の粗放化が問題となっている。現在,多様な主体の参画・連携のもと策定作業が進められている「地域連携保全活動計画」のなかで,ため池の希少水生生物を守りながら地域資源としての利活用を図るために,放棄されたため池を利用したジュンサイ栽培が提案されている。能登地域ではジュンサイ利用の食文化もあり,地域需要も見込まれるほか,ジュンサイは希少ゲンゴロウ類などの水生昆虫の産卵植物や隠れ場として貢献しうる。当該地区の取組みは,放棄された小規模ため池を新たな地域資源として再生・位置づけるものとして注目される。
著者
赤石 大輔 中村 浩二
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.195-199, 2014-12-25 (Released:2015-02-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

中部日本の環境の異なる3地点からキノコ子実体を採集し,実験室内で子実体内部に成育するハエ類を羽化させた.その結果,モモグロオオイエバエMuscina angustifrons (Loew)は,新たに19種のキノコを利用していることが判明した.本種は,キノコ子実体のみで羽化すること,また,カメの人工餌でも羽化することが確認された.本種の終齢幼虫は,与えられたミスジショウジョウバエDrosophila bizonata Kikkawa and Pengの幼虫を捕食した.以上の結果から,野外ではキノコ子実体以外に,おそらく植物組織,糞,動物遺体などを利用する雑食性であるともに,キノコ食双翅目群集内において,ギルド内捕食者でもあると推測された.