著者
玉川 光春 晴山 雅人
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.250-259, 2004-11-30

単純X線撮影の意義 近年,四肢関節領域のMRIの重要性は明らかで多用されるが,骨折や奇形,変形性関節症などの重症度判定はX線写真で成される.ここでは,複雑で疾患の多い関節の単純X線撮影を中心に,実際に四肢関節の疾患が疑われる場合,疾患ごとの有効な撮像法をリストアップし,X線写真の注目点について解説した.関節の形状や可動性は個人差が大きいため,異常の発見には左右を撮像し比較することが重要である.なお骨腫瘍の撮像に関しては言及していないが,長管骨の場合は病変の存在する骨の正面像と側面像の二方向の撮像が基本である.
著者
坂本 澄彦 晴山 雅人 細川 真澄男 高井 良尋 大川 智彦 堀内 淳一
出版者
東北大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1992

基礎研究に於いては低線量全身照射とBRMとの併用によって免疫賦活効果が増強されるか否かの検討が行われた。先ずOK-432に就いてWHT/Htマウスの偏平上皮がんでは、照射2日前に投与した場合に、TD50アッセイによる実験結果は低線量全身照射による免疫賦活効果が増強される事が示された。又、C3H/Heマウスの繊維肉腫を使用し、腫瘍成長曲線を用いてOK-432と低線量全身照射の併用効果を検討した実験でも同しような結果が得られた。一方、放射線照射によるサイトカイン産生能に及ぼす影響を検討しているが、未だ予備実験の段階であるが、IL-2産生能は0.1Gy,1Gy,3Gyの全身照射で何れも強く抑制され、TNF産生能は3Gyで約2倍に増強されていると言う結果を得ている。次にがん細胞膜に於けるYH206矢CEAのような腫瘍関連抗原、主要組織適合抗原の1つであるMHC Class-I及び接着分子の最も代表的なICAM-Iが放射線照射によって高まる事が分かった。次に、臨床研究に於いては、I及びII期の非ホジキンリンパ腫94例の解析を行い、全身及び半身照射と局所照射の併用群と局所照射単独群との効果が比較検討された。その結果は全身または半身照射併用群では、未だ観察期間は十分ではないが、I期、II期共に明らかに良好な結果を予想させるものがある。組織型をintermediate gradeに限定すると併用群と非併用群との間に統計的有意差が認められている。次に、低線量全身または半身照射が行われた肺癌、子宮頚癌、食道癌、悪性リンパ腫などについて、その副作用を検討したが、全例で白血球、リンパ球、血小板の著明な減少とか、悪心、嘔吐などの副作用は認められない事、が明らかになった。次年度には悪性リンパ腫以外の腫瘍に対する全身照射と局所照射の結果が、出てくる予定である。