著者
中込 和幸 最上 多美子 兼子 幸一
出版者
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

認知矯正療法(NEAR)のRCTについて、サンプル集積がはかどらなかったため、並行してquasi-experimentalデザインを用いて、認知機能及び近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いた前頭部での血流変化に対するNEARの効果を検証した。統合失調症患者19名に6か月間NEARを実施し、その前後で認知機能および前頭部での血流変化を測定した。患者12名を対照群とし、6か月間の通常治療前後で評価し、群間比較を行った。対照群に比して実施群で運動機能、遂行機能の改善及び右前頭極部で有意な血流増大効果が認められた。NEARは前頭機能の活性化を介して認知機能の改善をもたらす可能性が示唆された。