著者
中村 純作 堀田 秀吾 朝尾 幸次郎 梅咲 敦子 松田 憲 津熊 良政 野澤 和典 東 照二 山添 孝夫 佐藤 佳奈 宮浦 陽子 山本 香里 濱中 千裕 霜村 憲司
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

我が国中等教育の英語教科書のモニターコーパスを更新、補充、新たにアジア諸国の英語教科書を追加したコーパスを構築し、教科書研究のための環境づくりを行った上、教科書の内容(語彙、構文、文法項目、トピック、社会文化的要素等)を中心に質的・量的比較を行い日本の英語教育に欠けている点を指摘した。また、我が国を含めたアジア諸国の英語教育の実態と課題を検討し、我が国英語教育の問題点、今後の方向性などを考えるための国際シンポジウム、英語教育での新しい試みに関する知見を共有するための英語教育公開講演会、ワークショップなども開催、これらをまとめた報告書を出版した。
著者
小池 生夫 原岡 笙子 古川 尚子 国吉 丈夫 石田 雅近 伊部 哲 朝尾 幸次郎
出版者
慶応義塾大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本研究はわが国全体の英語教育を大学を中心として、早期教育、中学校、高等学校、海外子女教育から見た学校教育も含み、それらの実態と将来像を明らかにしてきた。職業人から見た英語教育については、昭和58年3月に提出した研究成果報告書よりはじまった一連の研究の最後のテ-マとして研究を行ってきたものである。研究成果報告書の内容は1.「あなたご自身について」でアンケ-ト解答者自身の年令、学歴、職種、海外経験などを調査した。次に、「あなたと英語のかかわり」については、仕事とのかかわりで英語が必要とする人が54.2%に達していることがわかった。英語が通じない人は41.3%、かなり不自由しない人が22.6%などいくつかの項目が分析されている。次は「あなたの大学生時代の英語学習について」では学習態度、授業内容などについて、4番目は「日本のこれからの英語教育について」の批判を調査した。学校教育で成果が、「まったく」あるいは「あまり」あがっていないと回答する人は74.2%で、これはかなり深刻な数字である。その主な理由は、日本人の完璧主義で細かいところに気を使いすぎるくせと、受験準備にあるとする人が首位を占めた。そして英語教育の目的は「コミュニケ-ションができる基礎力を養成することにあるとする人が88.9%とい圧倒的であった。総項目34、大学卒業生同窓会名簿多数の中から任意に抽出をした人々約12000名、回答率19%程度であった。あしかけ9年に及び調査分析は4冊の研究成果報告書として結実したが、その総集編を作成、同時に提出するべく努力をした。この特徴は、わが国の英語教育をタテ軸、ヨコ軸から見て、総合的分析判断するもので、またに画期的な資料になるであろうと期待する。すべてコンピュ-タによる資料分析を行ったものである。
著者
朝尾 幸次郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

英語を外国語として学んだ人で正確に文章を書くことのできる人でも、その英文の英語らしさ、上手下手には大きな違いがみられる。また、英語母語話者の書く文章でも、わかりやすさ、読みやすさには大きな違いがある。本研究では、このような違いが何に由来するものかを探った。このため、テキストの語彙、文長、語連続に着目し、テキストの英語らしさ、難易などの性質にかかわる要因を探り出し、それを一覧表として提示する手法を提案した。
著者
朝尾 幸次郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

(1)日本語と英語を対応させたテキストをデータとして、日本語から英語を、英語から日本語を検索するパラレル・コーパスを構築した。構築したコーパスは日本国憲法、教育基本法など著作権がない公的なもののほか、『朝日新聞』の「天声人語」と「社説」、『エヌ氏の遊園地』(星新一)、『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子)など日英語でデータが得られるものである。(2)日英語で意味を対応させる方法として「最短一致の原則」を提案した。センテンスを単位に対応させてゆき、対応する意味のまとまりが最短になるように切り分ける方法である。(3)検索プログラムはコマンドラインから利用する研究用のものの他、Perl/CGIによりWebページから利用できる一般向けのものを開発した。テキストは両言語で対応がなされているものであれば、どのようなものでも利用可能な汎用パラレル・コーパス検索プログラムである。(4)パラレル・コーパスを用いた研究例として、「では」とthenの対応について調査を行った。「(それ)では」とthenは日英語で奇妙に入り組んでおり、これまでの辞書記述では十分でないことが知見として得られた。日本語で「(それ)では」と明示的に現れている場合でも英文テキストではそれが表に現れない場合が多い。英語でthenが用いられる場面ではそこに明確な根拠がある場合が多いようだ。(5)報告書ではパラレル・コーパス検索のさまざまな例を提示し、スクリプトを公開した。スクリプトには詳細な説明を付しており、改変を容易に行うことができる。報告書はスクリプトの解説と検索プログラムのマニュアルも兼ねている。(6)パラレル・コーパス関係で発表した成果を資料として添付した。