著者
齋藤 益子 木村 好秀
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.54-59, 2000

平成9年12月から3月まで,都内のS病院産婦人科の初診患者292人に性に関するアンケート調査を行った.対象と方法は第1報と同じである.性生活の頻度は週1回以上36%,月1〜2回40%で,55歳以上では無しが35%で,1回の性交時間は20〜30分か約7割で,年代と共に短縮する傾向がみられた.「性交時間が長くて疲れる」は43%で,35歳〜44歳は有意に低く,「短くて不満」は45歳〜54歳が有意に低かった.「性的欲求に対して夫が応えてくれない」約3割,「夫との不一致感」「夫が満足しないのではないか」は約4割であった.また夫の性的欲求に対しては「煩わしいと感じる」「拒んだことがある」は共に5割で,45歳〜54歳が有意に高かった.
著者
岩崎 和代 齋藤 益子 木村 好秀
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.225-233, 2013-11-30 (Released:2017-01-26)
被引用文献数
2

20歳女子大生,小学生保護者,勤労女性の3群62名を対象に子宮頸がん検診行動の影響要因をフォーカス・インタビューで明らかにした.過去2年以内の子宮頸がん検診率は,保護者群90.5%,勤労女性群66.7%,女子大生群0%で,住民検診の利用が多く,きっかけは年齢的な動機や自治体からの案内であった.検診行動への影響要因として8カテゴリーが集約され,「必要性に対する情報不足・知識不足」「検診方法のためらい」「受診行動の相互影響」「受診アクセスの不便」「受診環境への不満」「きっかけ不足」「皆で受ける安心感」「教育不足」であった.このうち,検診行動を高める要因は「皆が受ける安心感」に集約され,連帯意識や待ち時間が少ない巡回検診車の利用,集団検診が支持された.保護者群や勤労女性群でも検診目的の理解は不十分で,検診環境への不満や検診時に痛みや出血を経験し,医師への技術不信を抱いていた.大学生群は子宮頸がん予防行動への教育機会の不足が伺われた.物理的な検診促進の要件として夜間・土日の検診を求めていた.
著者
木村 好秀 齋藤 益子 菅 睦雄
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.66-73, 2007-04

昨今,性意識の変化により若者の性行動か活発化し,10代の望まない妊娠や性感染症が増加している。われわれは,平成13年10月から4ヵ月間に,看護系6大学の学生に主として避妊法・性感染症についてスライドを用いて講義を行い,その際にわれわれが作成した性意識と性行動に関する自記式アンケート調査を行った。325名から回答が得られ,平均年齢は21.3歳,平均初経年齢は11.2歳で,初経に対する意識は嫌だったが44.6%,嬉しかったが21.2%であった。これまでの性教育受講経験は96.3%にみられ,その内容は,小学校3年以上では月経と射精が88.2%,性交と避妊が中学校で55.0%,高校では58.1%で,高校で中絶50.5%,性の倫理20.4%であった。性交経験率は69.2%で,平均初交年齢は17.9歳,季節は夏29.8%,春24.4%であった。初交時の避妊実行率は68.9%で,そのうちの96.8%がコンドーム法であった。ピルの知識があったものは34.1%であったが,今回の講義で91.2%に増加し,講義後のピルの使用意向は52.3%であった。