著者
木村 瑞生 山本 正彦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.141_3, 2018

<p> 本研究では、野球の打撃動作遂行における2つ要素(タイミング、コース:内角・外角)を変化させたときの反応時間を調べた。被験者は、神奈川大学野球連盟(2部)に所属する硬式野球部員10人(18~22歳)であった。本実験での打撃動作の反応時間(BS-RT)は、警告信号から光刺激までの時間(タイミング)とコース(赤色:内角、緑色:外角)を調節できる光刺激装置を用いて測定した。打者は構え姿勢をとり、前方15mの光刺激装置からの光刺激提示後できる限り素早く打撃動作を開始しT-スタンドのボールをヒットした。この際の光刺激提示からT-スタンドのボールをヒットするまでの時間をBS-RTとした。本実験では、光刺激のタイミングが一定(Tc)とランダム(Tr)、光刺激のコース(光の色)が一定(Sc)とランダム(Sr)の条件を組み合わせ、Tc-Sc、Tc-Sr、Tr-Sc、Tr-Srの4条件で内角と外角のBS-RTを比較した。その結果、Tc-Sc以外の3条件において内角のBS-RTの値の方が外角のそれより有意に小さかった。つまり、打者が投手から投球されたボールを打つ際、選択要素が1つでもある場合は内角の打撃動作の方が短時間に遂行されることが示唆された。</p>
著者
木村 瑞生
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、痩身女子学生を対象に短期間(9週間)のマシンを使った筋力トレーニングが骨量に及ぼす効果と脱(筋力)トレーニングが骨量に及ぼす影響について調べた。その成果は、以下の通りである。1)痩身女子学生の割合と体力女子学生(1年次生)602名について体格と体力を調べた結果、痩身者(BMI18.5未満)の割合は、16.4%であった。一方、肥満者(BMI25以上)の割合は6.3%であった。BMI17.5未満の痩身者の体力(握力、背筋力、脚伸展パワー、上体おこし)は、普通体型の者の体力より有意に劣っていた。2)痩身女子学生の体重に対する意識痩身女子学生(1年次生)602名について、体重に関するアンケート調査を実施した。その結果、痩身者(BMI18.5未満)であっても実体重よりさらに1.3kg程度痩せたいと思っていた。このように、女子学生の場合は、痩身者であっても痩せ願望を抱いていることが示された。3)痩身女子学生の骨量に及ぼす短期筋力トレーニングと脱トレーニングの影響痩身で且つ骨量の低い女子学生12名(平均値:年齢18.7歳、身長158.1cm、体重43.9kg、BMI17.5、体脂肪率17.9%)について、9週間の短期筋力トレーニング(マシン・トレーニング)とその後6ヶ月間の脱(筋力)トレーニングを実施し、骨量および脚伸展パワーに及ぼす影響を調べた。その結果、被験者12名の9週間のマシン・トレーニング後の骨量相対値(88.8%)は、トレーニング前の骨量相対値(83.8%)に比して有意に増加した。そして、6ヶ月間の脱トレーニング後の骨量相対値(83.3%)は、マシン・トレーニング後の骨量に比して有意な減少を示した。脚伸展パワーについても、骨量の変化と平行して変化した。しかしながら、骨量の変化と筋力の変化の関係には有意な相関関係は示されなかった。骨量の変化と有意な相関を示したのは、各被験者のマシン・トレーニングの日数であった。*骨量相対値:17歳の平均的骨量に対する割合