著者
植野 義明
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.14-24, 2019-12-25

数学教育学会では、研究グループ「数式音読SG」が新たに発足し、第1回ワークショップが2018年8月6日に開催された。この研究グループでは、数式を声に出して読むことの教育的意義に関する教育心理学における先行研究に基づいて、学校現場で数式を読む方法の標準を構築するための基礎研究を目的としている。このような研究は、小学校から大学までの教育現場に直接影響を与えることが期待されており、多くの人々の知識と実証データを収集することにより促進されるべきである。本論考では、上記の研究グループが本格始動する前の準備として、小学校から大学までのカリキュラムに含まれるいくつかの数式について、日本語と英語での読み方を比較・検討したい。
著者
植野 義明 Yoshiaki UENO 東京工芸大学工学部基礎・教養
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.83-92, 2000

Mamakodate is a Japanese traditional game. It was already known in early Kamakura period. The rule is similar to that of the problem of Josephus in the Western sphere, but there are some characteristic properties not common in the western culture. Because of the difference of the rules, Mamakodate has some superficially probabilistic feature compared to Josephus' problem, which is a simple deterministic game. This paper examines these features of Mamakodate in the light of cultural history of mathematics.
著者
平岡 一幸 阿部 はる奈 田島 滉太
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.6-15, 2021-06-30

この小文は本学における初等数理教育の素材提供の試みとして、「歌声」に おける「母音」に焦点を当て、その倍音の成分を実験的に解析します。同じ高さの音でも、例えば「ラ ; La ; A」 に相当する440 Hz の周波数の高さの音でも、我々は、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5母音の歌を歌い分けます。 それではその5母音の違いはどこから来るのでしょうか?この疑問に答えるため、「フーリエ級数」や「フーリエ級数展開」という数学の手法を用います。このフーリエ解析により各母音の特徴を比較・整理し、「美しい声」で歌うための研究課題を明確にすることがこの小文の目的です。 更に重唱や合唱における母音の重なりを取り上げます。
著者
清水 智 坂田 修一 福田 聖斗 辛 徳
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.15-20, 2020-06-30

既存の電動義手には柔軟性に乏しい、駆動音がする、重いといった問題がある。これらの問題を解決する方法としてアクチュエータに人工筋肉を使用するということが考えられる。人工筋肉には様々な種類があるが、近年注目されているのはMITのHainesらのグループが発表した釣り糸人工筋肉である。この人工筋肉は高出力、低コスト、高い量産性を持つが、動作方法についてはまだ確立されていない。本研究ではペルチェ素子を用いた制御装置を製作し、市販されているロボットハンドに釣り糸人工筋肉と制御装置を組み込み、動作検証を行なった。
著者
坂田 修一 清水 智 福田 聖斗 辛 徳
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.10-14, 2020-06-30

近年,深層学習を活用することでロボットによるピッキング作業の自動化が進んできており作業の効率化が行われている。本研究では深層学習を用いて一般物体認識を行い、物体との距離を深度カメラで測定し、ピッキングを行うシステムを制作することを目的とする。実験では、認識システムのモデル選定実験、深度カメラの性能実験、ピッキング実験を行った。結果、認識システムは YOLOv3·Tinyを採用した。深度カメラは実距離との誤差が平均 0.2cm だった。ヒ゜ッキング実験では物体をピッキングすることに成功した。課題として、座標に問題があるため修正が必要である。
著者
植野 義明
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.14-24, 2019-12-25

数学教育学会では、研究グループ「数式音読SG」が新たに発足し、第1回ワークショップが2018年8月6日に開催された。この研究グループでは、数式を声に出して読むことの教育的意義に関する教育心理学における先行研究に基づいて、学校現場で数式を読む方法の標準を構築するための基礎研究を目的としている。このような研究は、小学校から大学までの教育現場に直接影響を与えることが期待されており、多くの人々の知識と実証データを収集することにより促進されるべきである。本論考では、上記の研究グループが本格始動する前の準備として、小学校から大学までのカリキュラムに含まれるいくつかの数式について、日本語と英語での読み方を比較・検討したい。
著者
海老澤 模奈人
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.27-44, 2018-06-30

本稿は、1920年代のドイツにおいて、集合住宅の住戸平面の研究を科学的な分析に基づいて行った建築家アレクサンダー・クラインを対象とする。前半では、1920年代後半に彼がドイツの建築雑誌に発表した一連の住戸平面研究の成果を整理し、解説した。さらに同時期の日本におけ るクラインの受容の一面についても言及した。後半では、クラインがドイツ で設計した大規模ジードルク(住宅団地)である大ジードルンク・バート・ デュレンベルクを取り上げ、当時の雑誌記事などの資料をもとに、建築の特徴を明らかにすることを試みた。また、クラインの住戸平面研究と実際 に建設されたジードルンクの住戸との関係を検討した。さらに建設後から現在に至るジードルンクの変遷についても補足した。This paper discusses Alexander Klein's research on dwelling unit plan and his largest project of housing estate, Gross-Siedlung (large housing estate) Bad Dürrenberg, near Leipzig in Germany.Alexander Klein (1879-1961), a Russian-born architect, dealt with study to improve residential environment in small dwellings in Germany during Weimar period. He developed the graphical methods to evaluate plan of dwelling unit objectively, for example the diagram to analyze the motion of dweller in rooms and so on. His studies were published in many German architectural journals in the late 1920s and introduced also in Japanese architectural journals in 1930.In 1928 Klein designed the large housing estate consisting of 1000 dwellings in Bad Dürrenberg. In this project he designed six types of dwelling units which reflected his studies and had such characteristics as functional layout of rooms with original furniture, improvement in dark entrance room, widening of room by use of balcony and so on. Although all of the Klein's planning had not completely realized, the apartment blocks by Klein have been maintained until now and accept inhabitants as before.
著者
植野 Yoshiaki UENO 東京工芸大学工学部基礎・教養
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.86-92, 1998
被引用文献数
2

This paper will present an overview plot of a new discrete mathematics course. Its intended audience is non-science majors. The unique feature of this course is its use of computer algebra. After creating some super magic squares of size 5 by hand, super magic squares of size 4 are classified with the aid of Mathematica. Then the mathematical structure of these magic squares will be examined through an innovative approach by the author. Students can learn the use of arithmetic of modulo m, and the 4-dimensional geometry over the field with two elements. Overall, the goal of this course is to make the student a critical consumer of mathematical games, to understand what a mathematical structure is and how it works. We also mention that magic squares will provide good examples 'in nature' to motivate the student in a linear algebra course.
著者
植野 義明 Yoshiaki UENO 東京工芸大学工学部基礎・教養
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.86-92, 1998

This paper will present an overview plot of a new discrete mathematics course. Its intended audience is non-science majors. The unique feature of this course is its use of computer algebra. After creating some super magic squares of size 5 by hand, super magic squares of size 4 are classified with the aid of Mathematica. Then the mathematical structure of these magic squares will be examined through an innovative approach by the author. Students can learn the use of arithmetic of modulo m, and the 4-dimensional geometry over the field with two elements. Overall, the goal of this course is to make the student a critical consumer of mathematical games, to understand what a mathematical structure is and how it works. We also mention that magic squares will provide good examples 'in nature' to motivate the student in a linear algebra course.
著者
平岡 一幸
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-8, 2018-06-30

この小文は本学における初等数学の教育の素材提供の試みとして、音楽の「音」 の規則である「音律」に焦点を当てます。 近代・現代の音楽は平均律が主流ですが、純正律の方がハーモニーが美しいと言われます。 その美しさにアプロ ー チするため、 純正律と平均律を数理科学的に解析し、 両者を比較・整理するの がこの小文の目的の一つです。更に、純正律で奏でられる機会が多い「合唱音楽」を取り上げ、 具体的な演奏について考察します。