著者
木村 英亮
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済体制学会会報 (ISSN:18839797)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.10-17, 1998-02-01 (Released:2009-07-31)

「システム転換と国際関係」という共通論題で考えられる問題のうち,中央アジアに住むロシァ人について取り上げ,この地域の民族構成が経済改革にもつ意味について考えてみたい。ロシア人は,1989年には中央アジア5共和国の総人口4914万7616人のうち951万9958人,19.4%を占め,ウズベク人33.7%に次ぐ第2の民族であった。旧ソ連全体のロシア人の6.6%がこの中央アジアに居住していたことになるが,このようなロシア人の増加という現象は,19世紀後半にこの地域がロシアの植民地になって以後,とくにソヴェト政権の70年間に形成されたものである。