著者
馮 良珍
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育人間科学部紀要. II, 人文科学 (ISSN:1344462X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.65-78, 2005-02-28

二十一世紀の漢字文化圏の分岐問題とそれを解決する方策を考えるうえで、漢字の構造の特徴と簡略化の歴史を振り返り、それぞれの国と地域の漢字改革の源流と現状を分析する必要がある。本論では主として漢字文化圏における漢字の形体の分岐を形成するにいたった歴史的原因や現代における分岐の問題点について、中国と日本の漢字改革を比較・分析することを中心として論述する。また漢字の簡略化におけるいくつかの方法とその優れた点と劣っている (問題のある) 点を明らかにすることで、中国大陸の簡体字を主とする簡化字に存在している不合理な部分および繁体字との間での漢字の変換の時に発生する問題について分析し、それらの問題を解決するための道筋についても触れてみたい。
著者
木下 英夫
出版者
横浜国立大学教育人間科学部
雑誌
横浜国立大学教育人間科学部紀要 (0xF9C2) 人文科学 (ISSN:1344462X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.63-81, 1998-11

これまで,広津和郎の作品を検討しながら広津による松川裁判批判を支えた論理と思想を明らかにしようとしてきた。前回の(五)では広津の初期の創作(大正期まで)を取り上げた。今回はそれに引き続いて昭和期の創作を検討してみよう。ただし,昭和期は1945年(昭和20年)を境に二期に分ける事ができるので,まず昭和前期からはじめるが,紙数の関係で今回は昭和一桁の時期を取り上げることにしよう。