著者
木田 徹也 末廣 智
出版者
公益財団法人 ホソカワ粉体工学振興財団
雑誌
ホソカワ粉体工学振興財団年報 (ISSN:21894663)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.75-80, 2015 (Released:2017-02-03)
参考文献数
17

P型半導体の中でも,銅を含むカルコパライト型の半導体,例えばCuInSe2 and Cu2ZnSnS4は太陽電池材料として大きな注目を集めており,それらをナノサイズ化した半導体ナノ結晶は湿式法で薄膜を作製できる大きなメリットを有する.そこで本研究では,新しい半導体材料として銅-アンチモン-硫黄(CAS)に着目し,CuSbS2,Cu3SbS4 and Cu12Sb4S13といったナノ結晶を合成し,その太陽電池材料としての特性を調べた.高沸点有機溶媒中での金属錯体の熱分解により,上記の半導体ナノ結晶を合成した.各種分析(XRD,UV-Vis-NIR,TEM,光電子分光測定)を行った結果,合成したものは,目的とする組成と結晶構造を有するナノ結晶であることが確認できた.合成したナノ結晶を用いてITO/ZnO/CdS/CuSbS2/Auの構造の太陽電池を作製し,その光応答を調べたところ,CuSbS2については明瞭な光電変換特性を示すことがわかった.一方で,Cu3SbS4 and Cu12Sb4S13は光電変換特性を示さなかった.
著者
木田 徹也 島ノ江 憲剛 渡邉 賢
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

混合導電性を示すペロブスカイト型酸化物を用いた空気からの酸素分離は、電極や外部回路を必要とせず、濃度勾配のみで簡便に酸素を分離できるため、省エネルギー性が高く環境に優しい酸素富化技術として期待されている。本研究では、Co系の膜に代わり、高い特性と安定性を有するBa0.95La0.05FeO3について、膜構造の最適化による酸素分離特性の向上を詳細に検討した。その結果、La1-xSrxFeO3やBa0.3Sr0.7FeO3を酸素放出層として用いることで、大きく酸素透過速度が向上することを見出した。さらに、酸素の安定同位体18O2を用いたトレーサー拡散実験を行い酸素拡散メカニズムについて調査した。
著者
島ノ江 憲剛 木田 徹也 湯浅 雅賀
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、環境計測用マイクロガスセンサの構築に向けた材料設計を目指し、酸化物半導体の基礎的な解析として、粒子サイズとドナー密度が空乏状態に与える影響、ドナー密度と酸素吸着量の関係、マスキング効果の有効性、増感剤効果とその最適担持法の検討を行った。また、これらの検討結果の一つとして、VOCガスの一つであるトルエンについて好感度検知を試みたところ、ppbレベルの検知が可能であることを見出した