著者
末吉 俊幸
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.261-275, 1997-06
被引用文献数
4

本研究の目的は最小絶対値法が現在広く使われている最小二乗法に匹敵しうる種実用性の高い回帰分析手法であることを示すことにある。本論文の前半では、18世紀にさかのぼり、その歴史的考察を行うとともに、最小絶対値法を目標計画法の視点で考察する。後半では、最小絶対値法に関する統計理論とその統計的検定への応用を示した。重要なことは、最小絶対値法も最小二乗法も数理計画法でモデル化され、従来とは違った理論展開と応用可能性が開けることにある。
著者
後藤 美香 尾身 祐介 末吉 俊幸
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2008年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.104, 2008 (Released:2008-08-07)

本研究では,わが国製造業の大企業219社について,2004年度から2006年度の3期間のデータを用い,トービンのqで計測した企業価値と研究開発費用(R&D)の関係を分析する.そのために,サンプル企業をトービンのqが高いグループ(第3四分位より大)と低いグループ(第1四分位より小)の2つに分類し,これらに判別分析を適用する.分析結果から,R&Dが企業価値に与える影響を検証することに加え,利益率や資本構成,企業の所有構造など,他の変数についても,企業価値にどのような影響を及ぼしているのか分析する.
著者
山田 善靖 末吉 俊幸 杉山 学 貫名 忠好 牧野 智謙
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.381-397, 1995-12
被引用文献数
5

本論文は、日本的経営の為のDEA(Data Envelopment Analysis)法を提案する。提案の理由は、従来のDEAがアメリカ型の経営評価を基礎にしたものであり、その応用だけでは日本的経営評価の本質的特徴を表現しきれない点にある。より詳しく述べると、日本的経営評価の本質的特徴は、評価される事業体全体の相対的バランスを常に考慮に入れた評価を行うところにあると言われている。しかし、従来のDEAでは事業体の効率性評価をする場合、事業体全体との相対比較を効率性の高い事業体に対してのみ行っており、上記の様な日本的経営評価の特徴を含む評価を行うことはできない。そこで本論文は、この様な特徴を含む日本的経営にDEAをどの様にうまく組み入れて行くかを論じる。まずはじめに、日本とアメリカの経営体質の違いがDEA情報の使い方にどの様な影響を与えているかを考察する。その上で、日本的経営により合致したDEAの使い方を提案する。最後に、新しく提示されたDEA法を用いて政府の公共事業投資に関する効率性分析を行い、その実用性と有効性を示す。