- 著者
-
本多 健一郎
- 出版者
- バイオメカニズム学会
- 雑誌
- バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.4, pp.233-236, 2011 (Released:2016-04-15)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
1
3
昆虫類は紫外線を見ることができる.夜行性の昆虫は紫外線を多く出す光源に良く誘引され,この性質を利用した害虫
の発生予察灯や電撃殺虫機などが開発されている.昼行性の昆虫は黄色の色彩板に誘引されることが多く,発生調査用の黄色水盤や防除用の黄色粘着板などが利用されている.黄色照明の点灯は夜行性蛾類の活動を抑制し,果樹や野菜花きの被害を減らす効果がある.近紫外線を透過させないフィルムを展張した栽培施設では,コナジラミやアザミウマなどの害虫が侵入しにくくなり,被害が減少する.光を反射する資材を圃場に設置すると,アブラムシなどの飛来を抑制できる.今後はLED など新しい光源の開発と利用が期待される.