- 著者
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不破 達
児玉 亨
本多 芳子
田中 豊人
久保 喜一
大橋 則雄
中江 大
小縣 昭夫
- 出版者
- 特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
- 雑誌
- 化学生物総合管理 (ISSN:13499041)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.62-72, 2009 (Released:2009-09-16)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
1
脳内局所微量透析法(マイクロダイアリシス法)と高速液体クロマトグラフィーとの組み合わせによって、メチレンジオキシ・ピロバレロン(MDPV)投与によるマウス線条体内神経細胞外のドーパミン (DA) とセロトニン (5-HT) 量の経時的変化を調べた。それに加えて、行動量の測定実験と連続投与による中枢神経損傷の有無について、免疫組織化学による実験をおこなった。マイクロダイアリシスによる生体試料回収は10分間隔で行い、MDPV経口投与から2時間半後までおこなった。線条体内神経細胞外のDA量がMDPV投与から30分の間に210%、30分から60分の間に208%増加した。5-HT量の変化は観察されなかった。MDPVのDA作動性神経作用は類似薬物MDMA、METHと比較して緩やかで、短時間であった。なお、DA量と行動量の変化からマウス線条体内の神経細胞外DA量が200%以上増加すると行動量増加を引き起こすと考えられた。MDPVの神経毒性は今回の実験からは観察されなかった。