著者
本多 真 児玉 亨
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

眠気と脂質代謝:カルニチンの効果主観指標を用いたL-カルニチン過眠改善効果について、奏功基盤を動物での基礎検討と客観指標を用いた臨床研究で検討した。L-カルニチンは中枢・末梢ともにCPT1活性指標を改善させ、ドパミン系などの脳内の遺伝子発現や代謝産物を変化させ、実際に休息期特異的に睡眠の増加をもたらした。臨床研究と共通し睡眠段階遷移指標での睡眠安定化作用が示唆された。4割程度にL-カルニチン反応群が存在し、その判別法を検討した。
著者
不破 達 児玉 亨 本多 芳子 田中 豊人 久保 喜一 大橋 則雄 中江 大 小縣 昭夫
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理 (ISSN:13499041)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.62-72, 2009 (Released:2009-09-16)
参考文献数
12
被引用文献数
1

脳内局所微量透析法(マイクロダイアリシス法)と高速液体クロマトグラフィーとの組み合わせによって、メチレンジオキシ・ピロバレロン(MDPV)投与によるマウス線条体内神経細胞外のドーパミン (DA) とセロトニン (5-HT) 量の経時的変化を調べた。それに加えて、行動量の測定実験と連続投与による中枢神経損傷の有無について、免疫組織化学による実験をおこなった。マイクロダイアリシスによる生体試料回収は10分間隔で行い、MDPV経口投与から2時間半後までおこなった。線条体内神経細胞外のDA量がMDPV投与から30分の間に210%、30分から60分の間に208%増加した。5-HT量の変化は観察されなかった。MDPVのDA作動性神経作用は類似薬物MDMA、METHと比較して緩やかで、短時間であった。なお、DA量と行動量の変化からマウス線条体内の神経細胞外DA量が200%以上増加すると行動量増加を引き起こすと考えられた。MDPVの神経毒性は今回の実験からは観察されなかった。
著者
渡辺 正孝 児玉 亨 本多 芳子 小島 崇 桑波田 卓
出版者
財団法人東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

最近は若者も老人もがまんができない、と言われる。かまんには、長期的な利益のために短期的な利益を放棄するというものと、ルールに従ってしたい行動をしない、というものの2種類がある。がまんには大脳前頭連合野が重要な役割を果たし、この脳部位には、どちらのがまんについても関係した活動が見られる。がまんをコントロールすることが知られる薬物(リタリン)を投与したところ、サルでもがまんがより良くできるようになること、リタリン投与により、前頭連合野や線条体でドーパミンの放出が増すことも明らかになった。
著者
本多 芳子 臼井 節夫 児玉 亨
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

生後40日までLD12:12(通常の環境)およびLD1:1(1時間ごとに明暗を繰り返す環境)で飼育すると成熟後、新奇場面で多動性を示した。この多動性は脳内のドーパミンの増加に関連し、かつメチルフェニデート投与により改善される。また、ドーパミンD5受容体のmRNA発現が基底核で正常に比べ減少していた。さらにドーパミン輸送因子のmRNA発現を調べたところ正常環境下で生育したラットでは見られない3週齢の前頭葉において発現していることがわかった。