- 著者
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原田 真喜子
高田 百合奈
太田 裕介
蜂谷 聖未
佐々木 遥子
朴 婉寧
松田 曜子
山田 泰久
渡邉 英徳
- 出版者
- 一般社団法人 映像情報メディア学会
- 雑誌
- 映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.2, pp.J66-J74, 2015 (Released:2015-01-26)
- 参考文献数
- 15
本研究の目的は,災害資料の集合的記憶化に関与するアーカイブコミュニティの拡大である.既存のディジタルアーカイブコンテンツは,資料の掲載をアーカイブコンテンツ内に制限している.そのため,ユーザの資料閲覧の機会を低下させ,アーカイブコミュニティの拡大を妨げていた.そこで,著者らはソーシャルメディアを用いて,資料の共有から伝播に至るユーザアクティビティを活性化させるアーカイブ発信を行った.著者らの提案する発信手法は,アーカイブ資料をソーシャルメディアTwitter内に直接掲載することで,ソーシャルメディアとアーカイブの境をなくし,ユーザ間の情報共有と資料閲覧を同時に行うことを可能にした.実装例による情報伝播について分析した結果,ユーザアクティビティの連鎖的な伝播によって,コミュニティの参加者数は増加し続けていた.このことから,実装例によってアーカイブコミュニティの形成が促されることがわかった.本稿では,実装例の解説を通して著者らのアーカイブの発信手法について述べる.