著者
原田 真喜子 高田 百合奈 太田 裕介 蜂谷 聖未 佐々木 遥子 朴 婉寧 松田 曜子 山田 泰久 渡邉 英徳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.J66-J74, 2015 (Released:2015-01-26)
参考文献数
15

本研究の目的は,災害資料の集合的記憶化に関与するアーカイブコミュニティの拡大である.既存のディジタルアーカイブコンテンツは,資料の掲載をアーカイブコンテンツ内に制限している.そのため,ユーザの資料閲覧の機会を低下させ,アーカイブコミュニティの拡大を妨げていた.そこで,著者らはソーシャルメディアを用いて,資料の共有から伝播に至るユーザアクティビティを活性化させるアーカイブ発信を行った.著者らの提案する発信手法は,アーカイブ資料をソーシャルメディアTwitter内に直接掲載することで,ソーシャルメディアとアーカイブの境をなくし,ユーザ間の情報共有と資料閲覧を同時に行うことを可能にした.実装例による情報伝播について分析した結果,ユーザアクティビティの連鎖的な伝播によって,コミュニティの参加者数は増加し続けていた.このことから,実装例によってアーカイブコミュニティの形成が促されることがわかった.本稿では,実装例の解説を通して著者らのアーカイブの発信手法について述べる.
著者
高田 百合奈 渡邉 英徳 植田 佳樹
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.1-6, 2012-07-28

本研究では,海洋生態系に関する情報のデジタルアーカイブの手法の提案を行う.海洋生態系に関する情報は,時間軸も含む多元的情報である.しかし,これらの情報を俯瞰的に閲覧できるようにデジタルアーカイブを行う適切な手段は存在しなかった.そこで,適切なVR技術を用いることで,海洋に関する多元的な情報の相互参照と,ユーザによるデジタルアーカイブの構築への参加を可能とする,成長型コンテンツを確立することを目的とする.本研究の実装例として,鹿児島県の奄美諸島群の南端に位置する与論島における海洋情報のデジタルアーカイブコンテンツ「ヨロンダイバー」を挙げる.このコンテンツを通して,提案する手法について述べる.本研究の目的を達成するためには,ユーザからの投稿によるデータ,立体的な海底地形,海中の写真を,デジタル地球儀上に重層表示させることが有効である.本手法を用いることで,海洋に関する様々な情報と,ユーザによって投稿されたデータを,デジタル地球儀上に統合表示させ,より深い理解をユーザに促すことが可能になる.In this study, we propose a method of digital archive of information about the marine ecosystem. Information about the marine ecosystem is a multi-dimensional information, including the time axis. However, the appropriate means to do a digital archive so you can view these to overview holistic information did not exist. Therefore, by using appropriate VR technology, we intend to establish the content to be extended allowing a cross-reference of pluralistic information about the ocean, and a participation for user in the construction of a digital archive. As an example implementation of the present study, we cite "Yoron-Diver", digital archive content of marine information in Yoron Island, where is southernmost island of Kagoshima Prefecture located Amami Islands. Through this content, we describe the proposed method. In order to achieve the purpose of this study, it is valid to be displayed overlaid on the digital globe with data submitted by users, three-dimensional terrain models of the seabed, and photographs undersea. If this approach is used, we can be displayed integration of various information about the ocean, and data submitted by users on the digital globe. As a result, this is possible to prompt a deeper understanding for users.