著者
渡邉 英徳 庭田 杏珠
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.317-323, 2019-06-24 (Released:2019-08-30)
参考文献数
12

本稿では、デジタルアーカイブ/社会に“ストック”されていた白黒写真をAI技術でカラー化し、ソーシャルメディア/実空間に“フロー”を生成する活動について報告する。被写体が備えていたはずの色彩を可視化することによって、白黒写真の凍りついた印象が解かされ、鑑賞者は、写し込まれているできごとをイメージしやすくなる。このことは、過去のできごとと現在の日常との心理的な距離を近づけ、対話を誘発する。こうして生成された“フロー”においては、活発なコミュニケーションが創発し、情報の価値が高められる。この方法は、貴重な資料とできごとの記憶を、未来に継承するための一助となり得る。
著者
渡邉 英徳
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.12-16, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)

私たちは,社会に“ストック”されている1964年大会の資料を“フロー”化するデジタルアース・コンテンツ「東京五輪アーカイブ1964-2020」を制作した。本稿で説明した情報デザインによって,ばらばらの粒子のように“ストック”され,固化していたデータが結び付けられ,液体のように一体となって流れる“フロー”となる。この“フロー”をさまざまなデバイスを通して生み出すことにより,資料についてのコミュニケーションが創発し,情報の価値が高まる。その結果として,55年前・1年後の五輪が,ひとつの流れのなかに位置付けられ,過去に学び・未来に活かす「継承」の機運を生み出せると,私たちは考えている。
著者
原田 真喜子 高田 百合奈 太田 裕介 蜂谷 聖未 佐々木 遥子 朴 婉寧 松田 曜子 山田 泰久 渡邉 英徳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.J66-J74, 2015 (Released:2015-01-26)
参考文献数
15

本研究の目的は,災害資料の集合的記憶化に関与するアーカイブコミュニティの拡大である.既存のディジタルアーカイブコンテンツは,資料の掲載をアーカイブコンテンツ内に制限している.そのため,ユーザの資料閲覧の機会を低下させ,アーカイブコミュニティの拡大を妨げていた.そこで,著者らはソーシャルメディアを用いて,資料の共有から伝播に至るユーザアクティビティを活性化させるアーカイブ発信を行った.著者らの提案する発信手法は,アーカイブ資料をソーシャルメディアTwitter内に直接掲載することで,ソーシャルメディアとアーカイブの境をなくし,ユーザ間の情報共有と資料閲覧を同時に行うことを可能にした.実装例による情報伝播について分析した結果,ユーザアクティビティの連鎖的な伝播によって,コミュニティの参加者数は増加し続けていた.このことから,実装例によってアーカイブコミュニティの形成が促されることがわかった.本稿では,実装例の解説を通して著者らのアーカイブの発信手法について述べる.
著者
原田 真喜子 渡邉 英徳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.J78-J86, 2014 (Released:2014-01-24)
参考文献数
21
被引用文献数
1

The purpose of this study is to show ordinary people the meaning of words on the web. To achieve this purpose, we use cross-search results. The keywords extracted from the sentences constitute nodes. The results are visualized as a tree, the color of which reflects the emotions of the twitter results. To show the effectiveness of our work, we analyze the web traffic of our site, users' comments, a questionnaire about interface design and the results of an experiment comparing our approach with the existing searching way. From these studies, we believe that people will find our work useful as a way to show relationships between words in different linguistic corpora on the web.
著者
渡邉 英徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1211-1216, 2013-11-15

筆者らは,戦史や災害をテーマとしたディジタルアーカイブズ・シリーズを作成してきた.これらのアーカイブズは,多元的な資料を一元化し,俯瞰する視点をユーザに対して提供する.ユーザは,複数の資料を互いに関連付けながら捉え,できごとの実相について,より深く知ることができる.さらに筆者らはこの手法を応用し,震災ビッグデータを利用した災害状況の可視化を行った.これは現代の災害記録を未来に残すアーカイブズ構築の試みでもある.本稿では,筆者らが作成したコンテンツのうち「沖縄平和学習アーカイブ」と「放射性ヨウ素シミュレーションのマッシュアップ」を取り上げ,それらのビジュアライゼーション手法について述べる.
著者
有本 昂平 渡邉 英徳
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.2-7, 2018-01-31 (Released:2018-04-27)
参考文献数
12

本論文では3次元デジタルアース上に取引クラスタをグラフを用いて可視化し、描画するエッジの始点と終点の高度を変化させることで階層を表現した。またタイムスライダを用いて時系列で存在する取引クラスタの可視化を動的なアプリケーションとして構築し、各エッジの取引量の変化に応じて描画するエッジの色を変化させた。本提案手法によって取引クラスタにおける始点と終点のノードの位置情報、各ノードの階層、時系列の4つの要素を同時に把握することが可能となり、同一条件で抽出した取引クラスタは時系列で変化することを把握できたことから、頂点企業の戦略により企業の取引が刻一刻と変化していることがわかった。したがって、本提案手法はデータ分析スキルの高低に関わらず企業間取引ネットワークから取引構造や時系列変化についての知見を得ることが可能な手法である。
著者
渡邉 英徳 坂田 晃一 北原 和也 鳥巣 智行 大瀬良 亮 阿久津 由美 中丸 由貴 草野 史興
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.497-505, 2011-09-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
4

We defined the approval requirements and established the design method for information architecture "Plural digital archives" that supplemented existing digital archives' weak point. A digital archive that urges multipronged, overall understanding about archived event can be achieved by this design method. And more, we produced an implementation example "Nagasaki Archive" and verified the validity of the design method through the analysis of behavior and comments of users and the access log of the website.
著者
田村 賢哉 秦 那実 井上 洋希 渡邉 英徳
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.370-375, 2018-10-01 (Released:2018-11-20)
参考文献数
14

「デジタルアーカイブ」の多様化により、これまで利用側であった非専門家である市民が積極的にアーカイブズに取り組む可能性を有している。そうした背景から本稿では、デジタルアーカイブにおける市民参加の新しいアプローチとして、ヒロシマ・アーカイブなどの「多元的デジタルアーカイブズ」の複数の活動の特徴を述べ、それらの有機的な制作環境の実態について言及した。そうした実践からデジタルアーカイブの社会に及ぼす影響について考察を行い、デジタルアーカイブの新しい研究領域として「参加型デジタルアーカイブズ」を述べている。
著者
渡邉 英徳
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

研究成果により5つのデジタルアーカイブを公開し、査読付き雑誌掲載論文2編、受賞9件、学会発表14件などの成果を挙げた。また研究成果は沖縄県、長崎県の事業に採用され、朝日新聞社およびグーグルとの産学連携も行なっている。これらのことから、研究目的は達成されたと言える。
著者
渡邉 英徳
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.157-162, 2009
参考文献数
15

We propose a new design methodology for 3Di (3D Internet). The designer should pay attention to 1. the visibility, 2. direct accessibility, and 3. spatialization of the target object. We have applied this methodology for producing and designing plenty of architectural and artistic space in 3Di. This paper explains the concept and concrete design methodology thorough applied artworks.
著者
有本 昂平 渡邉 英徳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.J88-J93, 2016 (Released:2016-03-25)
参考文献数
8

本研究の目的は,国内企業の取引ネットワークの可視化である.そこで,取引ネットワークにおける階層ごとにアイコンの高度を段階的に変化させ,デジタルアース上にプロットする.さらに,地域内・地域間における取引をそれぞれ別の色で表現する.このビジュアライゼーションから,日本国内における企業間取引のあらましを読み取り,産業集積の度合を観察することができた.したがって,著者らの手法により,取引ネットワークの可視化ができることがわかった.
著者
渡邉 英徳
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

これまでのデジタルアース・アーカイブの研究成果を活かして,インド洋大津波のデータ,企業ビッグデータのデジタルアーカイブを作成し,公開した。加えて,ニューラルネットワークを用いた自動色付け技術を用いて,マスメディア(朝日新聞社,沖縄タイムス,岩手日報社)の所蔵する災害アーカイブなどの資料をカラー化し,取材・時代考証を踏まえた補正を加えたものを,ソーシャルメディア(Twitter,Facebook)で発信する実験を行なった。毎日,その日付に起きた出来事にまつわる画像をアーカイブから選定し,カラー化したものを発信した。各々の着彩写真は数千〜数百回リツイート・シェアされ,年度内のインプレッション数は合計6000万回となった。カラー化写真に対して,ユーザからは多数のリプライ・引用リツイートがあり,写真への感想,時代考証,撮影地の特定など,さまざまなコミュニケーションが創発した。その結果,写真の撮影地や被写体の詳細が判明するなど,資料内容の特定への寄与もみられた。さらに,カラー化した写真をもとにして,若者たちと災害の当事者が語り合い,交流を深めるワークショップを,広島原爆・東日本大震災をテーマとして開催した。このことにより,ローカルなコミュニティ形成に貢献した。カラー化写真およびワークショップは,朝日新聞朝刊一面(6/23)をはじめとするTV・新聞などのマスメディアで多数取り上げられ,年度内に34件の報道があった。こうした反響を受け,カラー化した写真を,日本新聞協会主催の展覧会「よみがえる沖縄1935」などで展示した。
著者
田村 賢哉 井上 洋希 秦那 実 渡邉 英徳
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.128-131, 2018-09-03 (Released:2018-05-18)
参考文献数
10
被引用文献数
1

「デジタルアーカイブ」の多様化により,これまで利用側であった非専門家である市民が積極的にアーカイブズに取り組む可能性を有している.そうした背景から本発表では,デジタルアーカイブにおける市民参加の新しいアプローチとして,ヒロシマ・アーカイブなどの「多元的デジタルアーカイブ」の複数の活動の特徴を述べ,それらの有機的な制作環境の実態について言及した.そうした実践からデジタルアーカイブの社会に及ぼす影響について考察を行い,デジタルアーカイブの新しい研究領域として「参加型デジタルアーカイブズ」を述べる.
著者
渡邉 英徳
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6459号)
著者
渡邉 英徳 原田 真喜子 遠藤 秀一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.307-314, 2010
被引用文献数
2

"Tuvalu Visualization Project" is a net art work on digital globe that tells the realities of remote place. This work has both the function as a photograph archive and as a communications platform. Our purpose was to create the chance for users of overlapping the event in remote place with daily life of users and re-interpreting it globally. To achieve such purposes, we made a visualization of the real state of affairs in Tuvalu with a digital globe, and added the pseudoand synchronous communications function to it. We think It will have the possibility of supporting the international contribution activity by the individual and nonprofit organization etc.
著者
原田 真喜子 渡邉 英徳
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.244-251, 2014-09-12

本研究では、ブレインストーミングにおける情報の発散と収れんを円滑にすることを目的に、論文・哲学用語・プレスリリース・Twitter・書籍の横断検索が可能なコンテンツを制作する。本作品は、検索結果から特徴後を抽出し、検索リソースごとに分類して提示し、さらに、感情メタデータの反映と、ユーザによって検索結果を分類・削除する機能を持つ。ワークショップでこれらの手法の効果を検証するユーザアンケートを行った結果、新規情報の発見と議論の拡散に効果があることが示された。
著者
渡邉 英徳
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

開発したシステムによって,災害の進捗状況をリアルタイムで可視化・アーカイブ化することができ,その結果は事後の報道内容とよく一致していた.成果物は多数のユーザに活用され,公開直後の3日間で30万ページビューを超えるアクセスがあった.加えて,その後に発生した多様な災害に対応するアップデートを施した結果,災害発生タイミングに合わせてアクセス数が増加し,これまでに60万ページビューを超えるアクセスがあり,TV,新聞,ウェブメディアで数多く言及された.このことから,研究代表者らの手法が効果を発揮しており,災害速報システムとして社会に定着しつつあると推測する.
著者
原田 真喜子 渡邉 英徳
雑誌
じんもんこん2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.7, pp.199-204, 2012-11-10

Web集合知を介して誰でも情報の発信・受信・検索が可能になった.しかしWeb集合知の性質は各プラットフォームの性質に依存し,検索結果が言葉の全貌を示しているとは言い難い.また,言葉は日々変化するものであり,Web集合知或いは辞書においても過去の言葉の使われ方を調べることは難しい.本研究では,言葉の俯瞰的な認識と新たな知見の提供を目的に,SNS,サーチエンジン,Web百科事典の性質を客観的/当事者的に分類し,その検索結果を一様に閲覧可能な,言葉アーカイブコンテンツの制作を行った.