著者
原田 真喜子 高田 百合奈 太田 裕介 蜂谷 聖未 佐々木 遥子 朴 婉寧 松田 曜子 山田 泰久 渡邉 英徳
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.J66-J74, 2015 (Released:2015-01-26)
参考文献数
15

本研究の目的は,災害資料の集合的記憶化に関与するアーカイブコミュニティの拡大である.既存のディジタルアーカイブコンテンツは,資料の掲載をアーカイブコンテンツ内に制限している.そのため,ユーザの資料閲覧の機会を低下させ,アーカイブコミュニティの拡大を妨げていた.そこで,著者らはソーシャルメディアを用いて,資料の共有から伝播に至るユーザアクティビティを活性化させるアーカイブ発信を行った.著者らの提案する発信手法は,アーカイブ資料をソーシャルメディアTwitter内に直接掲載することで,ソーシャルメディアとアーカイブの境をなくし,ユーザ間の情報共有と資料閲覧を同時に行うことを可能にした.実装例による情報伝播について分析した結果,ユーザアクティビティの連鎖的な伝播によって,コミュニティの参加者数は増加し続けていた.このことから,実装例によってアーカイブコミュニティの形成が促されることがわかった.本稿では,実装例の解説を通して著者らのアーカイブの発信手法について述べる.
著者
鳩山 紀一郎 渡邉 靖之 佐野 可寸志 松田 曜子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.I_621-I_630, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

わが国では政府開発援助(ODA)等を通じたインフラ整備技術の一層の海外展開が期待されている.一方で,海外展開の推進は建設企業にとって厳しい場合もあることも指摘されており,政府にも建設企業のニーズや見通しに合った的確な支援が求められる.本研究では,わが国の建設企業の海外進出状況を整理した上で,インタビュー調査およびアンケート調査を通じてインフラ建設事業の海外展開に対する建設企業の意識と政府機関等の見解を把握し,今後の政府支援のあり方を検討する.結果として,苦労して海外展開している企業も見られ,企業が負担の少ない形で海外進出できる環境づくりには,各企業が持つ強みを組み合わせて海外事業を受注できる仕組みを確立することが有効である可能性などが示唆された.
著者
梶谷 義雄 多々納 裕一 岡田 憲夫 松田 曜子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.772, pp.143-151, 2004-10-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1

災害後の復興過程は様々な空間スケールにおける複雑な事象の影響を受けており, このことが復興政策を決定する上で困難な点となっている. そこで, 本研究では様々な空間スケールにおける影響因子を分析するため, 空間回帰モデルと時系列モデルを融合した時空間統計モデルによるアプローチに着目した. この際, 社会・経済データが同一の時空間スケールで整備されていないことに配慮し, 時空間統計モデル適用のための方法を整理した. ケーススタディとして阪神大震災後の神戸市長田区における人口復興過程を取り上げ, 地域の環境要因などの局所変数とより広域的な経済状況などの広域変数の影響について分析を行った. その結果, 広域・局所的空間スケール双方における復興政策の重要性が定量的に明らかとなった.
著者
田中 皓介 稲垣 具志 岩田 圭佑 大西 正光 神田 佑亮 紀伊 雅敦 栗原 剛 小池 淳司 佐々木 邦明 佐々木 葉 Schmöcker Jan-Dirk 白水 靖郎 泊 尚志 兵藤 哲朗 藤井 聡 藤原 章正 松田 曜子 松永 千晶 松本 浩和 吉田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.129-140, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

本稿ではCOVID-19の蔓延および政府からの社会経済活動自粛要請に伴う,人々の意識行動への影響を把握することを目的にWebアンケート調査を行った.その結果,感染・死亡リスクを,現実の数倍~数千倍過大に評価している様子が明らかとなった.また,接触感染対策として効果的な「目鼻口を触らない」の徹底度合いが他の対策に比べて低く,周知活動の問題点を指摘した.さらに,緊急事態宣言に対する65%以上の支持率や,「家にいる」ことについて,「ストレス」を感じる以上に「楽しい」と感じる人が多いこと,行動決定のために参考にするのはキャスターや評論家や政治家よりも「専門家の意見」の影響が大きいことなどが明らかとなった.