著者
稲男 洋一 佐伯 尚哉 杉崎 俊夫 清水 雅司 因幡 和晃 岸本 喜久雄
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.308-313, 2012-09-01 (Released:2014-06-30)
参考文献数
33
被引用文献数
2

粘着剤を2種の剥離フィルムで挟まれた構造の基材レス粘着シートは,耐溶剤性,耐熱性に劣るフィルムに,粘着剤のみがシート化され貼り合わせることが出来るため,テレビや携帯電話に代表されるディスプしイを製造する際の偏光板等とガラスを積層するために使用されている。粘着剤と剥離剤を剥離する剥離力は,粘着剤種により変動するため,弾性率を変化させた粘着剤を用いた基材レス粘着シートにおいて,剥離角度や剥離速度の条件を変動させ剥離力を測定した。その結果より,粘着剤と剥離剤の界面の剥離エネルギを解析した。また,剥離角度を変更した条件で剥離先端部の可視化を光学顕微鏡で行うことで,剥離時の粘着剤の変形を観察した。これらの結果を併せることで,粘着剤の弾性率の違いによる剥離のメカニズムを予測した。
著者
杉崎 俊夫
出版者
智山勧学会
雑誌
智山學報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.81-106, 1980-03-30
著者
永渕 啓 樫尾 幹広 杉崎 俊夫 守谷 治
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.48-56, 2015-02-25 (Released:2015-02-25)
参考文献数
31
被引用文献数
2 2

機能性ハイブリッド材料の中間体として,スクシンイミド構造を有する新規ポリシルセスキオキサン(PSQ)を合成した.そして,この反応性置換基のアミノ化合物による開環反応を利用した温度応答性機能の付与について検討した.スクシンイミド基を単独の置換基として有し,残存ヒドロキシ基をトリメチルシリル化したPSQは水に難溶,アセトンやクロロホルムなどの有機溶媒には易溶であった.PSQ上のスクシンイミド置換基の開環反応に2-エトキシエチルアミン類を用いたところ,水溶液中で下限臨界溶液温度を,ニトロメタン中では上限臨界溶液温度を示す温度応答性PSQ誘導体が得られた.一方,エタノールアミンや2-メトキシエチルアミンを用いた場合は,水溶性となり両親媒性は示したが温度応答性は発現しなかった.また,この開環反応は,スクシンイミド基に対してこれらのアミンを2当量用いることでほぼ定量的に進行した.
著者
小曽根 雄一 網野 由美子 杉崎 俊夫
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.436-439, 2012-12-01 (Released:2014-06-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1

感圧接着剤(粘着剤)でガラス等の無機物に貼付するような用途では,高温高湿の環境下においても長期間高い粘着性,耐久性,耐湿性が求められ,シランカップリング剤が添加される場合がある。例えば,建物や車両などの開口部におけるガラスへの機能性フィルム貼付用粘着剤,光学機能性部材を液晶セルのガラス基板に接着するための粘着剤などである。そのため,シランカップリング剤の分散状態を解析し,粘着特性との関係を明らかにする事により,効果的なシランカップリング剤の利用による,界面接着強度の制御が可能になると考える。しかし,これまでに粘着剤中のシランカップリング剤分散状態を具体的に数値化した例はほとんどない。本報では,アクリル酸エステル共重合体中のシランカップリング剤添加量を変化させた時の分散状態解析及びガラスに対する粘着力を評価し,シランカップリング剤分散状態との関係を考察した。ブチルアクリレート,2-ヒドロキシエチルメタアクリレートからなるアクリル酸エステル共重合体に架橋剤及びシランカップリング剤を添加し,酢酸エチルにて希釈後,ポリエステルフィルム上に塗布することで粘着シートを作製した。シランカツプリング剤の分散状態をX線光電子分光法(XPS)及びC60イオンスパッタリングを用いて解析した結果,シランカップリング剤は粘着シート表面に偏在し,添加量の増加に伴い表面存在量も増加する傾向を示した。また,粘着シート、表面のシランカップリング剤量が,粘着力制御に重要であることが示された。
著者
西村 裕章 杉崎 俊夫 守谷 治 影山 俊文
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.7, pp.505-510, 2000 (Released:2001-08-31)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Several silica gels containing rare earth ions such as neodymium, samarium, or yttrium, which differed in composition, were obtained readily from sodium metasilicate and chlorides of rare earth. The reaction was carried out at room temperature in an aqueous solution, pH value of which was adjusted to be below 1 at first step to generate monomeric silicic acid, and then the solution was neutralized to be pH=7. The spectral data of IR and UV of resulting gels suggested that rare earths dispersed well in silica phase. The TG-DTA analyses of gels showed characteristic exothermic peaks, which related with the formation of crystals of rare earth silicates. The types of crystals, obtained after calcination of gels at the temperature of exothermic peaks, were influenced apparently by the composition of rare earth and silicon.