著者
杉本 武
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文芸言語研究 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-12, 2000

日本語の受動文には、次のa.のような、「所有者受動文」などと呼ばれる受動文のタイプが存在する。 (1) a. 太郎は暴漢に頭を殴られた。 b. 暴漢が太郎の頭を殴った。 (2) a. 太郎は先生に息子をほめられた。 b. 先生が太郎の息子をほめた。 これらの受動文は、見かけ上、b.のような文の目的語を修飾する名詞句が主語になっている。 ...
著者
杉本 武
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究. 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.37-50, 2002-10-30

日本語のアスペクト形式「ている」は、接続する動詞のタイプにより、進行相の解釈を受ける場合と、結果相の解釈を受ける場合があるとされる。 (1)太郎が庭の木を倒している。(進行相) (2)桜の木が倒れている。(結果相) この動詞のタイプをどのような特徴によって捉えるかということは、 ...
著者
杉本 武
出版者
筑波大学
雑誌
文藝言語研究. 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.49-62, 1999

日本語の受動文に関しては、これまで様々な研究がなされてきている。特に、生成文法の日本語への適用以後、受動文の生成をどのように行うか等が、日本語文法の中心的な課題の一つとして、しばしば取り上げられてきた。しかしながら、まだいくつかの問題が未解明のまま残されているように思われる。 ...