- 著者
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李 容承
松浦 恒明
進 訓央
兼川 雄次
谷口 秀将
- 出版者
- 西日本整形・災害外科学会
- 雑誌
- 整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
- 巻号頁・発行日
- vol.65, no.1, pp.40-42, 2016-03-25 (Released:2016-05-16)
- 参考文献数
- 12
3例と症例数は少ないが,肩関節前方脱臼に対して上腕近位部を外側に水平移動させることで上腕骨頭が関節窩の前縁を越えるようにして整復することができた.本法は,脱臼時の肢位のまま整復するため,侵襲が少ないと言える.多くの場合,救急外来における肩関節前方脱臼の整復法の第一選択は前方挙上法で,第二選択がStimson法やヒポクラテス法であるが,Stimson法は腹臥位・長い整復時間を要するし,ヒポクラテス法は骨折や腋窩神経損傷を起こす恐れがある.第一選択の前方挙上法で整復できない場合,第二選択として本法を試すことは有意義かもしれない.