著者
村上 公一
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.159-252, 1996-05-20 (Released:2017-10-02)

近年、超対称性理論における非摂動論的取り扱いが大きく進展している。このような進展の中で、特にdualityという手法が強力な役割を果たした。dualityという概念は様々な超対称性理論において存在することが分ってきたのであるが、本稿は、このなかで特に、物質場の結合していないN=2超対称性Yang-Mills理論におけるduality、及びN=1超対称性量子色力学におけるdualityのふたっを紹介することを目的としたreviewarticleである。本稿は二つのPartより構成されており、PartIではN=2超対称性Yang-Mills理論について述べ、PartIIではN=1超対称性量子色力学について述べる。PartIの前半ではできるだけ一般のゲージ群の場合について理論の古典的真空(古典的moduli空間)について述べ、後半ではゲージ群が特にSU(2)の場合について量子論的真空(量子論的moduli空間)を述べる。この理論のmoduli空間はSeibergとWittenによって、その厳密な構造が与えられており、それを紹介する。PartIIではゲージ群がSU(N_c)でN_fフレーバーを持つN=1超対称性量子色力学について、その低エネルギー領域にどのような相が存在するかを種々のN_fの値に対して見た後、Seibergによって3/2N_c<N_f<3N_cに存在することが示唆されているdualityを紹介する。
著者
山脇 和樹 森田 典子 村上 公一 邨田 卓夫
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.636-640, 1993

収穫直後の生鮮なハーブ13種(コモンタイム,コリアンダー,フェンネル,ヒソップ,イタリアンパセリ,レモンバーム,オレガノ,ローズマリー,セージ,サラダバーネット,スペアミント,スイートバジル,スイートマジョラム)のアスコルビン酸に関する基礎調査を行って次の結果を得た.<BR>(1) 総アスコルビン酸含量は,最も多いサラダバーネットの297mg/組織100gから,最も少ないスイートバジルの67mg/100gの範囲内にあった.<BR>(2) アスコルビン酸酸化酵素は種によって活性に差がみられ,イタリアンパセリとサラダバーネットは活性が低く,他のハーブで比較的高い活性が認められた.<BR>(3) 熱湯5分間処理で,コリアンダーとレモンバームでは組織中のアスコルビン酸の約1/2が抽出液中へ溶出されるが,他のものでは約1/4以下であった.熱湯処理によるアスコルビン酸の残存率はスイートバジルで53%と最も低く,コリアンダー,フェンネル,イタリアンパセリおよびサラダバーネットでは90%以上であった.
著者
吉田 成孝 板東 良雄 村上 公一
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

KLK6はオリゴデンドロサイトに発現するプロテアーゼであるが、そのオリゴデンドロサイト成熟への関与は不明であった。KLK6ノックアウト(KLK6-KO)マウスの解析により、脊髄でのオリゴデンドロサイト発達の一時的な遅延が見られた。KLK6-KOでは脊髄損傷後のミエリン塩基性タンパク質の発現も少なかった。これらの結果から、KLK6はオリゴデンドロサイトの発達に一定の関与をしていることが明らかとなった。