著者
村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.117-121, 1971-02-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

我々日本の醸造屋は「コウジカビ」の大きな恩恵をうけている。明治9年に発見, 報告されてから現在までに多数の菌株が分離, 利用されているが, 筆者は長年, コウジカビの研究をし, 最近コンピュータを用いて, これがアスペルギルス・オリゼーという大集団で, フラブスとはちがうこと, 標準株と-致する株が50年来醸試に保存されていたことなどのいきさつを述べている。正しいコウジカビの知識のためにも, また研究者の喜びを理解していただく上にもぜひ一読を願いたい。
著者
村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.889-894, 1994-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

東洋と西洋の酒の特色の第一番目に掲げられるのは澱粉の糖化材としてのカビと麦芽の違いであろう。その東洋のカビの代名詞的存在としての麹菌を最初に日本において発見したのがドイツ人学者であるが, 当時の状況はどのようなものであったのであろうか。麹菌の権威である筆者に, その辺を紹介していただいた。麹菌に関する貴重な資料としても意味がある。
著者
村上 英也
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.13-14, 1979

オンザロックのすすめは, 日本酒の将来を考える著者の体験を通して語られたものである。単に消費の拡大からだけでなく, 消費者により美味しく飲んでいただくためにも, 我々はこの問題ともっと積極的に取組む必要があろう。
著者
吉田 清 稲橋 正明 野呂 二三 村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.471-475, 1985-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10

1. 柿渋の原料である天王柿より, それぞれ性質の異る酵母を8株分離し, その特性を調らべた結果レモン型の両極性出芽酵母でCellobioseを良く発酵するKloeckera javanicaと思われる4株と, 胞子を良く形成し柿果汁, 合成培地においても比較的芳香を出す酵母4株を分離し, これらをSaccharomyces bayanusであると同定した。2. 分離した酵母の多くはアルコール耐性があり, またpH2.0の酸性下でも良く生育するタンニン酸耐性の強い酵母であった。3. 原料渋柿搾汁液を熱処理し, 分離酵母F菌を添加して発酵させた柿渋液はアルコールやエステル様の芳香が幾分あり, 柿渋特有の腐敗臭などの異臭が少なく清澄効果も従来の柿渋と変らず, 所期の目的にそった柿渋液を製造することができた。