著者
稲橋 正明
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1, pp.14-21, 2016 (Released:2018-05-28)
参考文献数
14

近年,健康面で乳酸菌が話題になることが多い一方,清酒醸造において生?系酒母が見直され,多くの酒造場で製造されるようになっている。従って,目にはみえないものの,私共の身の回りにこれまで以上に乳酸菌がはびこっていることが容易に想像される。清酒醸造にとっては,腐造の原因微生物として恐れられているが,その性質をよく知ってみるとそれ程恐れることはないし,応用面でも再評価してよさそうである。ご一読をお勧めします。
著者
稲橋 正明 武藤 貴史
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.824-835, 2008-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
4

きょうかい酵母を使用して, ふと疑問に思ったこと, これでいいのかな?と抱かれた数々の疑問が協会によせられる。そのような問い合わせの中から多くの方々にとって参考になりそうな事例をまとめていただいた。きょうかい18m号酵母に対するQ &Aが中心になってはいるが, 他の酵母や一般のもろみ管理に関しても示唆を与えてくれる一文である。
著者
稲橋 正明 吉田 清
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.858-863, 1992-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

最近, 各地の研究機関やメーカーで優良酵母の開発が盛んに行われているが, 新規な酵母であることを主張するためにはメルクマールが必要である。本稿はオリゴ糖の発酸性の違いから各種の協会酵母をそれぞれある程度特定できることを解説していただいたものである。オリゴ糖の多い清酒を醸造する上で参考になることが多い。
著者
稲橋 正明 戸塚 堅二郎 岡崎 直人 石川 雄章 佐藤 和夫
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.4, pp.285-294, 2013 (Released:2018-01-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1

活性度の低い酵母を使用した時の生酸菌の動向を調べた。酵母の増殖速度が正常の約1/2程度に低下した酵母,いわゆる活性度の低い酵母を仕込みに用いた場合,醪初期の酵母数が不足(1×108/ml以下)することにより,アルコール生成も遅れることから,生酸菌はもろみで旺盛に増殖を始め,その結果として酸度が高くなり,醪は酸敗する。しかし,二日踊りを採って酵母数を充分確保することができれば,活性度の低い酵母を用いても,もろみの酸敗をかなりの確率で防止できることを明らかにした。
著者
稲橋 正明 吉田 清 蓼沼 誠
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.1006-1015, 1999-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

窒素源の種類によつては培養条件により, 高頻度にTTC染色性のないコロニーが現れることを見出した。それらTTC染色性のない酵母の性質及び醸造特性について調べた。セリン, チロシン, アスパラギン及びアスパラギン酸を単独添加した培地を用い35℃ 以上で培養した場合に, TTC Whiteのコロニーが高頻度で出現した。これらTTC Whiteのコロニーの出現は特にアスパラギン酸及びアスパラギンを用いた場合に著しかった。TTC White株はグリセリン培地に生育せず, チトクロームa+a3の吸収スペクトルが消失していることから呼吸欠損菌であった。これら呼吸欠損菌を用いて小仕込みを行い, 小仕込み酒の成分結果を親株 (TTC Red) と比較したところ, 発酵の遅れ, 酸度の上昇 (リンゴ酸, 酢酸の増加), 香りの低下を招いた。
著者
吉田 清 稲橋 正明 野呂 二三 村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.471-475, 1985-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10

1. 柿渋の原料である天王柿より, それぞれ性質の異る酵母を8株分離し, その特性を調らべた結果レモン型の両極性出芽酵母でCellobioseを良く発酵するKloeckera javanicaと思われる4株と, 胞子を良く形成し柿果汁, 合成培地においても比較的芳香を出す酵母4株を分離し, これらをSaccharomyces bayanusであると同定した。2. 分離した酵母の多くはアルコール耐性があり, またpH2.0の酸性下でも良く生育するタンニン酸耐性の強い酵母であった。3. 原料渋柿搾汁液を熱処理し, 分離酵母F菌を添加して発酵させた柿渋液はアルコールやエステル様の芳香が幾分あり, 柿渋特有の腐敗臭などの異臭が少なく清澄効果も従来の柿渋と変らず, 所期の目的にそった柿渋液を製造することができた。
著者
稲橋 正明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.679-687, 2001-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

最近, 吟醸酒用の酵母として, カプロン酸エチルあるいは酢酸イソアミルといった香気成分を高生産する清酒酵母が多数育種され実用化されているが, 筆者らがここ数年かけて育種した「きょうかい1701号」は, 副題に掲げるような吟醸香にとって理想的な実用株である。ここでは, 育種の経緯から実際に使用する場合の要点などについて解説していただいた。
著者
稲橋 正明 武藤 貴史
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.824-835, 2008-11-15
被引用文献数
5

きょうかい酵母を使用して, ふと疑問に思ったこと, これでいいのかな?と抱かれた数々の疑問が協会によせられる。そのような問い合わせの中から多くの方々にとって参考になりそうな事例をまとめていただいた。きょうかい18m号酵母に対するQ &Aが中心になってはいるが, 他の酵母や一般のもろみ管理に関しても示唆を与えてくれる一文である。