著者
森田 幸 根ヶ山 清 三好 そよ美 堀尾 美友紀 荒井 健 村尾 孝児
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.767-771, 2015-11-25 (Released:2016-01-10)
参考文献数
6

MRSA選択分離培地(MRSA-CI寒天培地,CHROMagar MRSA II寒天培地,MDRS-K寒天培地)について発育支持能および鑑別性能の比較検討を行った。発育支持能をMiles & Misra法により評価した結果,3種類の培地に差は認められず,ほぼ同等の発育支持能を有していた。鑑別性能については,鼻腔分泌物等の臨床材料120検体を用いて,24時間および48時間培養後に発育状況を判定した。24時間判定におけるそれぞれの培地の感度/特異度は,MRSA-CIが88.4% / 100%,CHROMagar MRSA IIが90.7% / 100%,MDRS-Kが88.4% / 100%であった。48時間判定においては,MRSA-CIが95.3% / 100%,CHROMagar MRSA IIが95.3% / 100%,MDRS-Kが95.3% / 97.4%であり,3培地ともほぼ同程度であった。また,いずれの培地においても24時間判定に比べて48時間判定で検出感度が向上した。MRSA選択分離培地は,簡便性に優れたMRSA検出法であるが,菌量が少量の場合や呈色が弱い菌株では,検出・判定が困難となることもあり,各培地の特性を十分把握したうえで適切に使用する必要があると考えられた。
著者
森田 幸 根ヶ山 清 三好 そよ美 木内 洋之 梶川 達志 末澤 千草 上野 一郎 村尾 孝児
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.294-299, 2014-05-25 (Released:2014-07-10)
参考文献数
20
被引用文献数
2

食用鶏腸管内容物と市販鶏肉を対象にESBL産生E. coliの保菌・汚染状況を明らかにするとともに,分離株のESBL遺伝子型や分子疫学的関連性から汚染経路について検討を行った.食用鶏腸管内容物の65.1%(71/109検体)から88株のESBL産生E. coliが分離された.市販鶏肉では68.0%(34/50検体)から47株が分離された.ESBL遺伝子型は腸管内容物由来株では,CTX-M2型の占める割合が65.9%と最も高かったが,市販鶏肉由来株では,遺伝子型の偏りは認められなかった.養鶏場別のPFGEの結果,類似したバンドパターンを示す株が認められた.以上のことから,ESBL産生菌は養鶏場内で伝播することにより飼育段階で広く保菌されていると考えられた.さらに,事前に見学した食肉加工場の様子から,その処理工程においてESBL産生菌による鶏肉の汚染が拡大している可能性が推察された.