著者
村岡 千種 淺田 義和
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S44037, (Released:2020-09-28)
参考文献数
12

脱出ゲーム(Escape Room, 以下ER)は,1人ないしはグループで,制限時間内に与えられた「謎」を解き,最終的なゴールを目指すゲームである.近年,教育における活用事例も増えている.中でも医療教育に焦点を当てた場合のER 活用の特徴や課題はどのようなものか.本研究では,ER の医療教育への活用に関する文献を,対象者や内容,学習目標や評価方法に着目してレビューした.この結果,医療シミュレーションを導入して知識・技能・態度を統合的に学習可能としたり,QR コードなどのICT を活用してER を運営したりするなどの特徴があった.一方,課題として,設計・運用にかかる諸コストのほか,教材として用いる際の学習目標や評価方法の設定などが挙げられた.医療教育に活用できるER を開発するに際は,こうした課題を解決していく必要がある.
著者
淺田 義和 村岡 千種 前田 佳孝 鈴木 義彦 川平 洋
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45072, (Released:2021-09-02)
参考文献数
7

脱出ゲーム(Escape Roon,以下ER)を用いた教育は近年で増加傾向にあり,医療分野を含めて種々の事例が報告されている.しかし,2020年度の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,従来の対面で行うER 活用教育は実践が困難となっていた.本稿では,従来は対面で実施していたER をMoodle 上でのオンラインER へと形式変更し,実践した結果を報告する.オンラインER としたことにより,密の状態を回避したうえでの運営が可能となった.また,対面とは異なる環境での意見交換の困難さを経験したことによる学びの省察も生じていた.今後はMoodle上でのログ解析などを通じ,ER の学習分析などにも視野を広げる必要があると考える.