著者
淺田 義和 村岡 千種 前田 佳孝 鈴木 義彦 川平 洋
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45072, (Released:2021-09-02)
参考文献数
7

脱出ゲーム(Escape Roon,以下ER)を用いた教育は近年で増加傾向にあり,医療分野を含めて種々の事例が報告されている.しかし,2020年度の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,従来の対面で行うER 活用教育は実践が困難となっていた.本稿では,従来は対面で実施していたER をMoodle 上でのオンラインER へと形式変更し,実践した結果を報告する.オンラインER としたことにより,密の状態を回避したうえでの運営が可能となった.また,対面とは異なる環境での意見交換の困難さを経験したことによる学びの省察も生じていた.今後はMoodle上でのログ解析などを通じ,ER の学習分析などにも視野を広げる必要があると考える.
著者
藤井 克人 高橋 貞雄 吉田 博 鈴木 義彦
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会雑誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.510-518, 1965

When observing an object through fog, its visibility is reduced by the scattering of the light emitted or reflected from the object. Our efforts have been rendered towards observing the physical characteristics when we view a light source or object through fog.<BR>In this paper, the practical comparison of some light sources such as a fluorescent lamp, a sodium lamp or a mercury lamp about visual conditions is made at night in fog on an experimental basis. The effects of color improved mercury lantern and sodium lantern, which are used practically in highway lighting are compared in fog, and visual ranges of colored objects on the road surface lighted by them are also measured.<BR>The most important result of the experiment is that the visual difference depending on various kinds of light sources can't be noticed so much as the large decrease of visibility by the fog itself.
著者
末吉 孝一郎 吉岡 伴樹 船越 拓 鈴木 義彦 藤芳 直彦 森本 文雄 渋谷 正徳
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.434-439, 2008-07-15 (Released:2009-07-25)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

患者は60歳の女性。運動会で突然の心肺停止状態となり,bystander CPRが施行された。電気的除細動で心拍再開し当院へ救急搬送となった。冠動脈造影(coronary angiography; CAG)にて急性心筋梗塞(acute myocardial infarction; AMI)と診断し経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を施行した。集中治療室(intensive care unit; ICU)へ入室し抗凝固療法が施行されたが,カテコラミン投与下にても循環動態は安定せず,貧血の進行と肝逸脱酵素の上昇を認めた。第2病日に施行した腹部造影CTでは肝右葉に被膜下血腫と実質損傷を認め,肝左葉実質の損傷も認めたためこれが出血源と考えられた。被膜下血腫により圧排された肝右葉は均一に造影されず,肝実質組織内圧上昇による血流障害を認め,肝コンパートメント症候群であると診断した。まず抗凝固療法を中止し,新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma; FFP)及び濃厚血小板液(platelet concentrate; PC)投与による凝固能改善を図り,人赤血球濃厚液(red cells MAP; MAP)投与を行ったが循環動態の改善を認めなかったため,腹部血管造影を施行した。腹部血管造影では動脈相での明らかな造影剤の血管外漏出(extravasation)は認めなかったが,肝動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization; TAE)を行うことで循環動態は安定した。以後,全身状態は改善したが,血腫の縮小を促進させるために穿刺ドレナージを行い,第73病日に独歩退院となった。肝コンパートメント症候群の報告例は極めて稀であり,肝虚血に対しては減圧による虚血の解除が必要であると報告されている。しかしながら本症例ではTAEにて保存的に治癒せしめることができた。