著者
國久 美由紀 松元 哲 吹野 伸子
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
巻号頁・発行日
no.4, pp.71-76, 2005 (Released:2011-03-05)

野菜茶業研究所で開発したイチゴ品種識別用CAPSマーカーのうち9マーカーを用いて,市場で流通していた韓国産輸入イチゴ5パックの品種識別を行った。本試験の目的は,開発した識別技術が長期の流通期間を経て鮮度の低下した果実サンプルに適用できるか確認すること,および韓国からの輸入イチゴ品種の実態を調査し,‘さちのか’に関する育成者権の侵害が起こっていないか確認することであった。分析の結果,著しく鮮度の低下したサンプルでも品種の特定は可能であった。また,分析した5パックのうち4パックは‘さちのか’と‘レッドパール’の混合であり,全71果実のうち27個が‘さちのか’で,種苗法に違反している疑いが極めて強かった。また3パックは‘女峰’と表示され店頭で販売されていたことから,品種の不正表示も示唆された。
著者
平井 正志 久保 中央 寺林 敏 松元 哲 鈴木 徹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

アブラナ科野菜の根こぶ病は病原菌(Plasmodiophora brassicae)が長年土壌中に生存し、野菜産地が壊滅的な打撃を受けるほど重要な問題である。抵抗性ハクサイ品種はいくつか発表され、利用されているが、近年これら抵抗性品種の罹病化が問題になっており、新たな抵抗性品種育成のために、抵抗性の遺伝解析が望まれている。本研究ではBrassica rapaにおける、根こぶ病抵抗性遺伝子座の比較解析を行った。ヨーロッパ原産カブSilogaに由来する抵抗性遺伝子座Crr1及びCrr2を同定した。またMilan Whiteに由来する抵抗性遺伝子座Crr3を同定し、これらが互いに独立した座であることを明らかにした。さらにGelria Rに由来する抵抗性遺伝子座を解析した。その結果、最近韓国のグループより発表された抵抗性遺伝子座、CRbとほぼ同一の座であることが明らかになった。以上より少なくとも4座の根こぶ病抵抗性遺伝子座がB.rapaにあることが明らかになった。またマイクロサテライトマーカーに基づいたBrassica rapaの詳細な連鎖地図を作製し、シロイヌナズナゲノムとのシンテニーを明らかにした。それによるとCrr1,Crr2およびCRb座の近傍はシロイヌナズナ第4染色体長腕部と相同性のある部分であり、これらの3つの抵抗性遺伝子座が祖先ゲノムの同一部分に由来するものであることが明らかになった。しかし、Crr3座近傍はシロイヌナズナ第3染色体と相同性があり、他の抵抗性遺伝子座と由来を異にすることが明らかになった。Crr3座近傍を詳しくマッピングするためにシロイヌナズナのゲノム情報をもとにBrassica rapaで利用できるDNAマーカーを多数作成した。これらのマーカーを用いてF2集団(n=800)からCrr3近傍で組み換えを起こしている約80個体を選抜し、マーカーのみによるマッピングを行った。またCrr1付近についても詳細なマッピングを行った