著者
松原 誠二郎 寺山 慧 奥野 恭史
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.181-186, 2018-11-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
8

有機分子は、炭素および水素原子を基調としてわずか数種の原子から構成されているにも関わらず、構成原子の順列・組み合わせの結果、異なる機能をもつ分子を無限に設計することができる。それらを実際に合成する際には、まず逆合成と呼ばれる思考実験を行い、でき上がったパズルをピースに戻すように分割を続けて、入手可能な原料からの合成ルートを設計する。このルートに従った合成が実際にうまくいくかどうかは、最初の思考実験の質と精度に依存する。この逆合成では、過去のすべての有機反応データの利用が鍵となるので、AIを用いる手法により、さらに高度に行えるのではないかという期待が高まり、近年大きな進展が見られている。
著者
大嶋 孝志 小池 隆司 笹野 裕介 高須 清誠 安田 誠 山口 潤一郎 菅 誠治 跡部 真人 外輪 健一郎 滝澤 忍 椴山 儀恵 矢島 知子 宮尾 知幸 小島 諒介 武田 和宏 松原 誠二郎 矢田 陽
出版者
九州大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2021-09-10

本領域研究は、有機合成に破壊的イノベーションを起こすデジタル有機合成(実験科学と情報科学の異分野融合)の基盤を世界に先んじて築くことを目的とし、有機合成の多様性に対応した独自のデジタル化プラットフォーム(PF)を構築する。A01班、A02班、A03班の3班体制で、人工知能(AI)を徹底活用した自動化法(分子構造自動設計、合成経路自動探索、反応条件自動最適化、バッチ→フロー自動変換、自律的自動合成システム)でムダを徹底排除し、革新反応・革新分子創出の超加速化を実現するとともに、自動化法開発の基盤となる、有機化学の機械学習に最適化した本領域独自のデータベース(DB)の構築を行う。