著者
松崎 寿 太田 千穂 木下 葉子 丸山 武紀 新谷 イサオ 菅野 道廣
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 = Journal of Japan Oil Chemists' Society (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.195-199, 1998-02
被引用文献数
1 5

1996年に購入したポルトガル, ベルギー, オランダ, イギリス, アメリカ及び日本産の家庭用マーガリン類のトランス型脂肪酸含量について分析した。<BR>1) ポルトガル及びベルギー産マーガリンは全銘柄とも3%以下, オランダ産のマーガリン類は1銘柄を除き3%以下であった。イギリス産ではカートン包装品は3~17%, カップ包装品は1~18%で, 19銘柄中8銘柄が3%以下であった。アメリカ産ではカートン包装品が20~34%, 平均で24.8%, カップ包装品は6~23%, 平均14.2%であった。日本産マーガリン類の総トランス酸はマーガリンではハードタイプは15~28%。ソフトタイプでは総トランス酸が3%以下のものは5銘柄で, 20%を超えるものが1銘柄あった。ファットスプレッドでは総トランス酸が5.2~17.3%, 平均12.2%であった。<BR>2) イギリス, アメリカ及び日本産マーガリンの総トランス酸は, 1990~93年調査時とかわりがなかった。<BR>3) トランス酸の少ないマーガリンは飽和脂肪酸が多い傾向を示した。総トランス酸と総飽和脂肪酸量の総和はいずれの国とも類似した値である。いずれの国においても, カートン包装品のトランス酸と飽和脂肪酸の合計は, カップ包装品よりも多かった。この合計値は基本的に5カ国において同様であった。
著者
松崎 寿 青山 稔 馬場 明 丸山 武紀 新谷 〓 柳田 晃良 菅野 道廣
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 = Journal of Japan Oil Chemists' Society (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.625-630, 2000-06-20
被引用文献数
1 2

13カ国で製造された菓子類に含まれるトランス酸含有率を, ガスクロマトグラフィーと銀イオン薄層クロマトグラフィーを併用して分析した。<BR>総トランス酸含有率はアメリカ (27.1%) が最も高く, 次いでカナダ (22.3%), スイス (18.7%) 及びベルギー (15.0%) であった。オランダ, ノルウェー, スウェーデン及びイギリスの総トランス酸含有率は11~12%であり, デンマーク, フィンランド及びドイツのそれは6~8%であった。オーストラリア及びイタリアの総トランス酸含有率はそれぞれ3.5%及び3.1%であり, イタリアは最低値を示した。<BR>菓子類に含まれていた主要なトランス異性体はC18 : 1トランス異性体であったが, C20 : 1及びC22 : 1トランス異性体も7銘柄でみられた。<BR>菓子類の総トランス酸含有率と家庭用マーガリンのそれを比較したところ, カナダ, アメリカ及びイギリスでは菓子類と同程度の値であった。対照的に, ベルギー, デンマーク, ドイツ及びオランダでは家庭用マーガリンよりも菓子類が高い値を示した。