著者
村上 千秋 高橋 次郎 新保 國弘 丸山 武紀 新谷 〓
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.423-427,460, 1997-04-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

有機培養及び無機培養におけるクロレラの脂質について調べた。1) 中性脂質量は乾物量当たり2~3g/100gであった。これらには両培養方法ともワックスエステルが 80%, トリアシルグリセリンが20%含まれていた。2) リン脂質は有機培養では8.6g/100g, 無機培養では6.2g/100gであった。これらの組成 (PG, PC, PE, PI) は両培養とも類似していたが, 脂肪酸組成は著しく異なっていた。3) 糖脂質は両培養とも5.7g/100gであった。これらの組成 (MGDG, DGDG, SQDG) 及びその脂肪酸組成は両培養で異なった。4) C16 : 4及び C18 : 4 の両脂肪酸は糖脂質及び PG を除くリン脂質で検出されたが, トリアシルグリセリンには検出されなかった。5) C16 : 1のトランス酸は PG のみ含まれていた。その含有量は有機培養で1.6%, 無機培養で2.3%であった。
著者
深澤 透 堤 崇史 東海林 茂 荏原 紘 丸山 武紀 新谷 〓
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.247-251,261, 1999-03-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
11
被引用文献数
4 18

5種類の有機リン系農薬 (ジクロルボス, パラチオンメチル, マラチオン, クロルピリホス及びクロルフェンビンホス) を大豆油に添加し, 脱ガム, 脱酸, 脱色及び脱臭工程を行った後の精製油中の農薬残留量を測定した。得られた結果は次のとおりである。 (1) 脱ガム処理では原油中の各リン系農薬はわずかに減少した。 (2) 脱酸処理では脱ガム油中のジクロルボスは明らかに減少したが, 他の農薬は約80%以上残存した。 (3) 脱色処理では吸着剤による脱酸油中のジクロルボス及びクロルフェンビンホスの減少率はそれぞれ約70%及び60%であった。一方マラチオン及びクロルピリホスの減少率はそれぞれ約30%及び5%であった。パラチオンメチルは活性炭を含む吸着剤を用いると極端に減少した。 (4) 260℃の脱臭処理により全農薬が完全に除去された。 (5) 原油中のリン系農薬 (ジクロルボス, パラチオンメチル, マラチオン, クロルピリホス及びクロルフェンビンホス) は一般の精製処理により完全に除去されることを確認した。
著者
分部 麻希 村上 千秋 丸山 武紀 新谷 〓
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.221-228, 2000-05-20
被引用文献数
3

1)AsA及びDAsA標準水溶液の温度による安定性を比較すると、5〜50℃ではAsAの方が安定性が悪く90℃ではDAsAの方が悪かった。2)AsA及びDAsA標準溶液のpHによる安定性を比較すると、AsAはpH4〜pH7の範囲で安定だが、DAsAはpHが高いほど不安定であった。3)野菜ジュース中のAsA及びDAsAの挙動は野菜の種類によって異なり、保存中にAsAがほとんど酸化されない者、ジュース調製中にすべてDAsAに酸化され、保存中に総VCが著しく低下するものまで様々だった。4)ジュース調製後の加熱の影響は、加熱により総VCは低下するが、高温または電子レンジ加熱では、24時間保存後の残存率は未加熱に比べて高かった。5)ピーマンジュースのpHによるAsAの安定性はpH4以下またはpH7以上で良く、pH5.5付近で最も悪かった。6)ピーマンジュースの場合、食酢、レモン汁、牛乳の添加が効果的だった。パセリ、キャベツ、セロリ、にんじん及びレタスの各ジュースではレモン汁が特に効果的であったが、牛乳の添加で、無添加に比べ総VCの残存率が低下した。