- 著者
-
松崎 裕子
- 出版者
- 一般社団法人 情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.1, pp.34-39, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)
近現代の日本では官民を問わず,「活動の過程で作成あるいは受領した記録を管理する」という,固有の組織内機能,すなわちレコードキーピングに関わる機能の十分な発達が見られなかった。しかし,2009年に「公文書等の管理に関する法律」が制定されて以降,レコードキーピングに携わるアーキビストやレコード・マネージャーの職務に関する議論も進みつつある。本稿では公文書管理を専門とするアーキビスト,社会運動に関わる記録資料を管理するアーキビスト,レコード・マネジメントとアーカイブズ管理を対象とする独立コンサルタント,企業アーカイブズ振興に携わるアーキビストの4つの事例を紹介し,日本におけるアーキビストとレコード・マネージャーのキャリアパス形成の未来について展望する。