著者
渡辺 幸洋 松本 安英
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2009論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.23-30, 2009-12-10

大規模なクラウドコンピューティング環境の運用においては、運用プロセスの自動化による省力化は必須である。しかしながら、従来の手作業によるフィルタ定義を伴う障害検知手法では、大規模化するシステムの障害検知を自動的に行うことはできない。本稿では、従来の手法の課題であったメッセージパターンの自動生成を可能にするため、メッセージログからメッセージパターン学習についてベイズ推定を用いて実現する方式を提案する。さらに、この方式により効率の良い学習ができ、高い精度で障害検知を行えることを実験によって示す。
著者
松本 安英 宇山 政志 矢崎昌朋 神田 陽治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.32, pp.1-6, 2006-03-20
被引用文献数
2

Web サーバを利用してサービスを提供する場合に、サービスに対するアクセス需要を予測し、需要に見合うITリソースを用意する必要がある。しかし、想定していない短期的な需要増加が起きることで、ITリソースが不足することがあり、そのような想定外需要を早期に検出することが重要である。我々は、アクセス需要の想定内および想定外となる2 種類の時系列データと、Webサーバへのアクセス需要との類似度を逐次比較することで、想定外需要の発生を早期に検出する方式を開発した。本方式を評価するためのツールを試作し、商用サイトのアクセスログを用いたシミュレーション実験を行うことで、想定外需要をどれだけ早く検出できるかを評価した。To provide the service by the Web server, it is necessary to forecast the Web access demand and to prepare the IT resource that corresponds to the Web access demand. However, the IT resource might be insufficient because the unexpected short-term Web access demand occurs. Then, it is important to detect such unexpected Web access demand at the early stage. We developed the method to detect the unexpected Web access demand at the early stage by comparing the similarity between two different demand models and observational access data. The one model is the expected access model. The other model is the unexpected access model. We evaluated the ability of unexpected Web access demand detection by making the tool to evaluate this method for trial purposes, and conducting the simulation experiment that used the access log of a business site.
著者
嶋田 邦昭 松本 安英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.119, pp.79-84, 2010-07-01

IT投資全体の7割もの費用が投入されているといわれるアプリケーション/運用保守コストを削減するためには,時間を要しているインシデント管理の障害原因の迅速な特定が重要である.従来の重要語抽出と決定木の機械学習を用いた障害原因推定手法では,エラーメッセージが過去事例に記述されていない場合には特定率や特定精度が低いという課題がある.そこで,障害原因切り分けの証拠情報を正規化して入力し事例にタグとして付加することにより,障害原因の特定率と特定精度を高める手法を提案する.実際にアプリケーションの保守を行う現場のインシデントで評価した結果,特定率が63%に向上した.