著者
立石 洋平 松本 武浩 河野 浩章
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

脳卒中と心不全や心房細動を始めとした心疾患は互いが強く関連し、いずれも生活の質に影響を及ぼす。これらを共通レジストリに登録し、観察していくことは脳卒中・心疾患の包括的な予防医療の展開につながると思われる。一方、レジストリの構築には人的、経済的負担を伴い、継続が困難になる場合が多い。そこで、我々は、すでに使われている地域医療連携ネットワークシステムを利用して脳卒中・心疾患共通レジストリを構築する。さらにウェアラブル端末を利用し血圧や脈拍なども自動格納する。これらのデータや画像および血液データ、生活の質についてのデータを登録し、脳卒中や心疾患発症や死亡などの発生を予測する因子の探索を試みる。
著者
辻野 彰 松本 武浩 前田 隆浩
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

遠隔医療への期待が高まっている昨今、ビデオカンファレンス方式による遠隔診療の診断精度や治療効果(質)に及ぼす影響については十分に検討されていないのが現状である。本研究では、専門医が不在の離島にカメラ付きスマートグラス(MOVERIO Pro:エプソン)を利用したDoctor To Doctor To Patient(D to D to P)のバーチャル専門外来を開設して、その有用性を質に重点を置いて検討するものである。本年度は離島の基幹病院にバーチャル神経専門外来を開設し、慢性神経疾患診療、特にパーキンソン病における治療効果に重点を置いて、D to D to Pの遠隔診療支援の有用性を検討する。専門診療介入前後でパーキンソン病の治療効果や診療満足度が向上するかどうかの評価を開始した。診察プロトコール:1ヶ月に一度の外来受診(年12回)を基本として、同意取得後の6カ月間は通常診療を行う。この期間の診療をコントロール期間として、その後に引き続いてバーチャル神経専門外来を実施する。通常診療時とは別の現地の専属医師が大学の専門医のアドバイスを受けながらパーキンソン病患者を診療して抗パーキンソン病薬の薬物調整を行う。評価項目:PD統一スケール改訂版(MDS-UPDRS)、ウエアリング・オフ現象のオンとオフ状態の時間、ジスキネジアの有無、PD特異的QOL尺度質問票(PDQ-39)、臨床的全般印象度の変化(CGI-C)、認知機能(MoCA)、レボドパ換算総薬物投与量、入院回数、併存合併症(骨折など)、慢性疾患患者ケアシステム評価(PACIC)、アンケート調査を開始前から3カ月ごとに評価する。
著者
後藤 久貴 宮副 誠司 江崎 宏典 松本 武浩 八橋 弘 井上 長三 古賀 満明 矢野 右人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.701-703, 1999-04-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

症例は32歳,女性.発熱,両側季肋部痛を呈し来院,炎症所見以外に腹部エコー, CT等の画像検査では腹痛の原因を確認できなかったが,腹腔鏡検査にて肝周囲に典型的なviolin-string状の線維性癒着を認め,腹痛は,既往歴と併せ,クラミジア肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)によるものと診断した.癒着の切離にて腹痛は消失,診断,治療に腹腔鏡が有効であった.クラミジア感染症の増加に伴い,腹痛の原因疾患としての本症に対する認織は重要となると考え報告した.
著者
松本 武浩 川崎 浩二
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

地域完結型医療の推進に伴い、専門疾患も診療所管理へと変わってきたため、専門診療を支援する仕組みが必要である。がん疾患では、地域連携パスが期待されたが、充分に機能していない。診療所管理の際に専門家が関与できないことが一因と考え、ネットワーク型の地域連携パスを開発した。専門家による診察内容をシステム上に展開し、必要な検査データを自動で格納することで、専門外の医師による専門診療を可能とし、その結果により専門家が異常と判断する条件を組み込み、該当患者を一覧表示することで、診療所管理時でも検査追加の判断や増悪等を早期認識できるシステムを開発した。今後は本システムの評価を行う必要がある。
著者
善甫 啓一 岡田 みずほ 松本 武浩 本村 陽一 佐藤 洋
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

入院患者や非介護者が夜間にベッドから転落する事故が絶えないことから,ベッド上の人の姿勢・位置推定,寝返りを検出し,転倒原因となる姿勢時の感知技術が望まれる。また,プライバシーにも配慮するために,本研究では熱画像を用いた見守り技術を目指す。ベッド上で正常に眠っている状態を定義し,熱画像上で逸脱した特徴量を持つ状態の検出により,寝返りや起き上がりなど転落へ繋がるイベントの検出を行った。