著者
松村 崇史
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.37-40, 2002-03-20
参考文献数
18
被引用文献数
1

急性期RSDの5例に対し柴苓湯と六君子湯を投与し,疼痛(VAS),腫脹,手指運動障害について検討した。うち4例が6週以内に疼痛が半分以下に減少し有効であった。腫脹,手指運動障害は疼痛に先行して改善する傾向があった。RSDの急性期は局所の炎症が主体であるが,発症しやすい精神的素因や発症後の気虚があり,全身的疾患の部分症と認識する必要がある。それゆえ柴苓湯と六君子湯による漢方治療は合理的な治療法と考えられた。
著者
渡辺 航太 吉田 祐文 松村 崇史 相羽 整 八代 忍
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.31-34, 2004-01-01

19歳女.自転車運転中,乗用車に左側より衝突されて受傷した.多発肋骨骨折と血気胸,左上腕骨頸部骨折,左両下腿骨骨折,両肺挫傷と胸椎異常がみられ,更にTh8の脱臼骨折を認めた.受傷機転となった外力の加わった方向と椎体の転位方向に関して,全ての過去の報告の側方脱臼骨折例では脊柱変形の凸側に外力が加わっており,本例では凹側に加わっていた.ほかの全ては上位椎体は凹側に転位しているが本例では凸側に転位していた.本例では麻痺は伴っていなかったが,脊髄は脊柱管内に突出した骨片により圧迫されており,三つのcolumnが全て損傷している不安定骨折であったため,脊柱の安定性獲得と遅発性麻痺の予防のために手術を施行した.治療法決定には麻痺の程度や骨折型を十分に検討する必要があると考えられた
著者
松村 崇志 井上 真郷
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-101, no.13, pp.1-6, 2013-12-16

平均律,純正律は音律 (音楽で使われる音の周波数比の決め方) の一種で,代表的な楽器はそれぞれピアノ,バイオリンである.何れも基準音 (ピアノでは 88 鍵盤の中央近くのラの周波数を 440Hz としたりする) に対して相対的な周波数比により各音の周波数を定め,平均律の場合は 「半音上がる毎に 2 の 1/12 乗倍」 と,無理数を用いて決める.一方純正律は小さな正の整数の比を用いるため,和音 (異なる高さの音を複数同時に鳴らす) の構成音が調和してうなりのない美しいものとなる.しかし,純正律はハ長調などの調毎に周波数比率が異なるため,ピアノなどの演奏中に再チューニングが出来ない楽器では,転調が出来ないという欠点がある.本研究では matching pursuit とピアノの特性を利用して,一つのピアノで演奏された楽曲の録音データを純正律で演奏されたような楽曲に変換する手法を提案する.これにより平均律楽器の表現の幅が広がる事が期待できる.結果,時間-周波数スペクトルを期待通りに変換でき,音楽経験の乏しい人でも違いを聞き分けることが出来た.