著者
豊田 秀吉 松田 克礼 平井 篤造
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.32-38, 1985-01-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
15
被引用文献数
4 9

本研究では,マイクロインジェクション法によりトマトのカルス細胞にタバコモザイクウイルス(TMV)を接種するための方法を検討した。トマト品種福寿2号の腋芽から誘導したカルスの単一細胞を,Murashige-Skoogの培地(寒天濃度,0.8%)に包埋した。それを,ペトリ皿に作製した同固形培地(寒天濃度,2%)の中央の穴(直径,3cm)に,厚さが3mm以下になるようにプレートした。包埋された細胞は,インジェクトスコープの位相差顕微鏡により生体観察され,ペトリ皿の中央部底壁面に刻入された格子線によって識別された。マイクロインジェクションには,活発に原形質流動を示す細胞を選び,滅菌ガラス針(先端口孔,0.1∼0.3μm)に無菌濾過したTMV接種液(TMV濃度,100μg/ml)を入れ,その先端部約3μmを原形質に10秒間挿入した。接種操作の成否は,ガラス針をぬいたあとにもその細胞に活発な原形質流動が認められるがどうかで判定した。なお,口径が0.5μm以上のガラス針を接種に使用した場合,そのほとんどの細胞において原質流動の停止や細胞質内容物の流出が認められ,フルオレッセイン二酢酸による生体反応も消失した。TMV接種後,細胞をすみやかに固定しフルオレッセインイソチオシアネートラベル抗体で染色した場合には,螢光化細胞はまったく認められなかったが,接種後26C, 3,000-4,000ルックスの照明下で2日間培養した場合には,接種したほとんどの細胞において顕著な螢光化が観察された。以上の結果から,本方法によってトマトのカルス細胞に効率よくTMVを接種できることが判明した。
著者
豊田 秀吉 松田 克礼 平井 篤造
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.p32-38, 1985-01

本研究では, マイクロインジェクション法によりトマトのカルス細胞にタバコモザイクウイルス (TMV) を接種するための方法を検討した。トマト品種福寿2号の腋芽から誘導したカルスの単一細胞を, Murashige-Skoogの培地 (寒天濃度,0.8%) に包埋した。それを, ペトリ皿に作製した同固形培地 (寒天濃度, 2%) の中央の穴 (直径, 3 cm) に, 厚さが3 mm以下になるようにプレートした。包埋された細胞は, インジェクトスコープの位相差顕微鏡により生体観察され, ペトリ皿の中央部底壁面に刻入された格子線によって識別された。マイクロインジェクションには, 活発に原形質流動を示す細胞を選び, 滅菌ガラス針 (先端口孔, 0.1〜0.3μm) に無菌濾過したTMV接種液 (TMV濃度, 100μg/ml) を入れ, その先端部約3μmを原形質に10秒間挿入した。接種操作の成否は,ガラス針をぬいたあとにもその細胞に活発な原形質流動が認められるがどうかで判定した。なお, 口径が0.5μm以上のガラス針を接種に使用した場合, そのほとんどの細胞において原質流動の停止や細胞質内容物の流出が認められ, フルオレッセイン二酢酸による生体反応も消失した。TMV接種後, 細胞をすみやかに固定しフルオレッセインイソチオシアネートラベル抗体で染色した場合には, 螢光化細胞はまったく認められなかったが, 接種後26C, 3,000-4,000ルックスの照明下で2日間培養した場合には, 接種したほとんどの細胞において顕著な螢光化が観察された。以上の結果から, 本方法によってトマトのカルス細胞に効率よくTMVを接種できることが判明した。
著者
松田 克礼
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

プラズマフィールドを利用した害虫忌避スクリーンを開発し、害虫の侵入が問題となる栽培温室や青果物保存施設、食品工場や穀物の貯蔵倉庫などに適用した。その結果、いずれの施設においても害虫の侵入は観察されず、その有効性が確認された。また、施設の環境は大きく改善され夏場においても良好な環境が維持された。さらに、この装置は、害虫を忌避させるだけでなく、害虫を捕捉できることも明らかとなった。