著者
吉井 絢子 松田 宣子
出版者
神戸大学医学部保健学科
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.89-104, 2007
被引用文献数
1

目的 筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)患者への保健師活動の現状の明確化と今後の支援のあり方を検討する。方法 280保健所を対象に郵送による質問紙調査を実施した。概念枠組みからALS患者のQOLを高める支援を(1)精神的な支援(2)コミュニケーション手段の確保(3)同疾患患者との出会いの場の提供(4)外出の機会の確保とし、それらの支援の実施と、「保健師の経験年数」「これまでに支援した在宅療養中のALS患者数」との関連をついて統計的検討を加えた。結果 1)(1)、(2)、(4)は、「これまでに支援した在宅療養中のALS患者数」の多い保健師の方が少ない保健師よりも多く実施していた。2)「保健師の経験年数]に対して「これまでに支援した在宅療養中のALS患者数」の多い保健師は、少ない保健師よりも多くQOLを高める支援を実施していた。結論 ALS患者のQOLを高める支援をより多く行うためには、保健師の経験だけではなく、実際にALS患者を支援する経験を積み重ねる必要がある。
著者
榊原 文 松田 宣子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.59-74, 2003
被引用文献数
1 9

本研究の目的は、精神障害者の偏見・差別及び啓発活勤に関する研究の動向を読みとり、先行研究より明らかにされた知見をテーマ別に整理することで、今後の課題と方向性を体系化することである。精神障害者、啓発活動、偏見、差別、スティグマをキーワードに、1983年から2003年までの過去20年間について、医学中央雑誌及びMEDLINEから文献を検索した。その結果、偏見・差別の意識態度の調査は1970年代より発展してきているものの、啓発活動の方策を系統立てて記したものがないこと、偏見・差別に対する精神障害者自身の内的な世界Iを引き出したものが少ないことが明らかとなった。今後、啓発活動実践による効果測定から啓発活動のあり方を検討することと、精神障害者自身の主体性に焦点を当てた啓発活動を追及することが課題である。
著者
松田 宣子 高田 哲 石井 美由紀
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、子ども虐待への保健師の支援スキルの開発である。第1段階は、支援スキルの初期に行うアセスメントツールを、保健師に活用してもらい、評価・検討をした。第2段階は、近隣保健所・市町に過去、現在に保健師が支援し、よい方向に向かった事例の調査を行い、分析し、支援スキルの介入に組み込んだ。第3段階は、開発した支援スキルを保健師が活用し、その結果、ほとんどの者から「有効である」と評価が得られた。