著者
岩下 敦子 清水 英樹 熊林 義晃
出版者
北海道立食品加工研究センター
雑誌
北海道立食品加工研究センター研究報告 = Bulletin of Hokkaido Food Processing Research Center (ISSN:13403001)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-12, 2000-03

北海道の主要水産物のシロサケ加工時の未利用部位である皮の有効利用法として,皮よりゼラチンを抽出する方法の検討および食品への利用可能性について試験を行った.(1)有機溶媒を用いない脱脂・脱臭効果のあるゼラチンの抽出方法として塩漬処理を導入した工程を試みた.塩漬処理ゼラチンの品質評価として,魚臭の有無,一般成分分析および物性測定をエタノール処理ゼラチンと比較した.塩漬処理方法は脱脂・脱臭に効果があり,海産物(サケ皮)からのゼラチン抽出方法として安価で容易な方法であることが認められた.(2)塩漬処理ゼラチンの低温での粘性は,ほ乳類ゼラチンよりも穏やかであり,ゾルの調整が容易であることが認められた.(3)アイスクリームの増粘剤として利用を試みた結果,異臭もなく,一般食品へ利用できることが認められた.
著者
渡部 哲史 山田 真史 吉田 奈津妃 佐々木 織江 神谷 秀明 田中 智大 丸谷 靖幸 峠 嘉哉 木村 匡臣 田上 雅浩 木下 陽平 林 義晃 池内 寛明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.260-265, 2017
被引用文献数
1

 平成29年2月18,19日に東京大学本郷キャンパスにおいて,合計16名の参加者により第6回目となるWACCA (Water-Associated Community toward Collaborative Achievements)meetingを開催した.第6回となる今回は各自の研究内容を理解し,多様なスケールで展開される様々な水関連研究の現状やそれぞれが抱える課題,それらを克服するために必要なブレークスルーについて考える機会を設けた.各自の研究発表を基に,様々な研究分野に共通する課題やブレークスルーなど研究に関する議論や,アウトリーチのような活動に関する情報共有,その他研究を進める上で感じていること等の意見交換を行った.本報告ではそれらの議論の概要について記す.
著者
林 義晃 手計 太一 永島 健 山﨑 惟義
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.221-232, 2015-09-05 (Released:2015-10-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2 6

本研究では,北陸地方における地上雨量観測所とCバンドレーダ(以下,レーダ雨量計)を用いて,X-バンドMP レーダ(以下,X-MP)における降水量推定精度の時空間分布特性について検討した.本研究では,X-MPの推定精度を相関係数と推定誤差より評価した. 時系列による推定精度の解析の結果,強い降水強度を伴う降水イベントでは,X-MPの方が精度良く推定できるが,弱雨や降雨継続時間の長い降水イベント,レーダサイトから離れた地域では,レーダ雨量計の方が精度良く推定できることがわかった.空間解析の結果,地上雨量観測所を中心として2.25×2.25 kmの範囲までであれば,X-MPは精度良く推定できることが示唆された.しかし,レーダサイトから20 km以上離れる地域では,X-MPよりレーダ雨量計の方が精度良く推定できることも明らかになった.梅雨期と降雪期における総降水量の定量的検討の結果,両レーダとも地上雨量データより過大評価しており,特に降雪期において顕著であった.